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参院選公示 選挙戦スタート 激戦の北海道選挙区 有権者の声、課題、政策、争点 専門家が解説
2025/07/03(木) 21:01|HTBニュース 掲載
依田アナウンサー)
北海道選挙区で立候補しましたのは、届け出順にこちらの12人となっています。現職3人、新人9人です。改選定数3に対して12の立候補ですので、激戦の様相と言っていいと思うのですが、笹田先生はこれはなぜこういうことが起きるんでしょうか。
HTB選挙解説
佐々田博教 北大教授(政治学)
まず、現在、政党の数が非常に多いということが言えると思うのですが、特に少数政党は主に比例代表で議席を狙うわけですけれども、なるたけ多くの選挙区にも候補者を立てて、多くの選挙区に、選挙区において有権者にアピールをする機会を増やすというような戦略をとるということがあるので、必ずしもその選挙区で勝てなくとも候補者を立てたいということで増えている。
それから、SNSが日本でも本格的に使われるようになって、無名の新人であったり、少数政党も効果的に使えば広い支持を得られるということで、多数の政党、それから候補者が立候補していると言えるのではないでしょうか。
依田アナウンサー)
そして、今回の選挙の全体的な構図についても見ていきたいんですが、まず、衆議院は自民・公明の与党が過半数を割っているわけなんですね。
今回の参院選では、自民・公明が非改選議席、改選しない議席を含めて過半数を維持することができるかどうか、ここが一つ争点となるわけです。で、与党が参議院で過半数を維持するためには、今回の選挙で50議席を取らないといけない、50以上の当選が必要ということになります。
このあたりは先生どう見てますか?
HTB選挙解説
佐々田博教 北大教授(政治学)
はい。前回2022年の自民党の議席っていうのが63、それから公明党が13で、与党で合計で76の議席を獲得しているので、50というのはそんなに高いハードルではないと言えると思いますが、最近の与党の支持率低下を考慮すると、過半数割れをする可能性というのは十分あるかと思います。
そして、過去に参院選で与党が敗北をしてねじれ国会が起こった場合、その後の衆議院選挙で政権交代が起こるといったようなことが2009年、2012年でも起こったので、そういう意味ではこの選挙っていうのは非常に重要な選挙になってくるかと思います。
依田アナウンサー)
政権選択選挙の様相もあると言っていいと思うんですが、では有権者の皆さん、今回の選挙でどんな争点に注目しているのか、街の声を聞いてきました。
20代 2児の母)
子育て支援ですね。教材費だったりお金がかかってくる お金のことで諦めたり、子どもたちがしないような未来があればいいなと
70代)
全てやはり平和ですね。防衛費とかどんどんどんどん膨らんでいくのは心配。
50代会社員)
ちょっと減税するとか、ばらまくという話ではなくて、将来の財政を考えたうえで、こういうことをやりたいとか、その辺をしっかり言ってもらえればいい。
19歳 大学生)
消費税ですね。ちょっと学生にとっては消費税高いなって思います。
(Q:消費税が何パーセントになったら嬉しいですか?)えー、3%です。
20代 会社員)
物価高が収まればいい。電気代が結構高いなとかなり感じていまして、3,000円とかそれぐらい結構増えているかなとは感じる。
20代 会社員)
特にガソリンは高く感じますね。10年前に戻りたいですね。税金下げてくれ、お願いします。
依田アナウンサー)
街の声をお聞きいただきました。
そしてANNの世論調査を見てみますと、最も重視する政策について、多い順に景気物価高対策、年金社会保障制度、教育、子育て支援とつながっていくわけなんですが、先生もこの景気物価高対策はもちろん注目されているということで、どのあたり注目してますか?
HTB選挙解説
佐々田博教 北大教授(政治学)
はい。景気物価高問題に関して言うと、やはりその政党の立ち位置っていうのが非常に明確に分かれている点があるので、それが今回の選挙の重要な争点になるかと思うんですが、例えば与党であったり立憲民主党は給付金であったり、既存の社会保障制度を強化していくことで対策をしていくということで、主な支援の対象になるのが低所得者であったり高齢者世帯ということになるわけですけれど、これに対して、例えば維新であるとか国民民主党であったりすると、消費税あるいは所得税の減税を中心にするということで、主な対象が現役世代ということになっている。ここで大きな差が出てきているのが、有権者にとっては注目すべきところだと思います。
依田アナウンサー)
はい。もう一つ注目点があるということですが、それはどこでしょうか。
HTB選挙解説
佐々田博教 北大教授(政治学)
もう一つは、ここには出てきていないんですけれど、いわゆる外国人問題ということで、外国人労働者、観光客が増加するにあたって、オーバーツーリズムであったりとか、外国資本による違法行為といったものが問題化している。すると特にネットの上では非常に活発な議論が起こっているわけですが、これに対してその与党は今後も積極的に受け入れていこうと、拡大していこうとしているところで、野党の一部の方は何らかの制限を設けて、それから急激な社会変化を防ぐと言ったような主張をしている。そして、現行法の限界や不備を指摘しているので、ここにも大きな争点が見られるんじゃないかなというふうに思います。
依田アナウンサー)
そうですね。この外国人に関しては、本当に北海道はもう切っても切れない存在になりますので、皆さんがどういう判断をするかというところになりますね。
あと、今回は3連休の中日投票日ということで、投票率も非常に気になるんですが、期日前投票もありますので、予定がある方は期日前投票もぜひしていただきたいなと思います。この時間は解説、佐々田博教先生にお願いしました。
どうもありがとうございました。
参院選の投開票日は20日、明日からは期日前投票も行われます。