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安田顕 母が経てきた人生を想い「この方から産まれてよかった」 映画「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」公開記念舞台挨拶

映画

SODANE編集部

2019/02/25

オフィシャル1.jpg

映画「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」の公開を記念した舞台挨拶が都内にて開催され、
キャストの安田顕さん、倍賞美津子さん、松下奈緒さん、大森立嗣監督、原作者宮川サトシさんが登壇しました。

安田
安田顕です。映画をご覧になっていただいた皆さんありがとうございます。えっと、、、泣いてらっしゃいますね皆さん笑 なんだかね、この雰囲気をちゃんと余韻に浸ったままお帰り頂きたかったんですが、こうして(編集部注:劇中で亡くなった母役を演じた倍賞さんを見て)生きてらっしゃいますし笑
でもなんかこんなに沢山お客さんが来てくれて、こんな立派な映画館だと思わなかったので笑 もっとこじんまりしてるかと、、、思って。ちょっと大きすぎて何だかこうね、人前に出させていただいて綺麗な恰好させていただいて、こんなに沢山の方に見ていただいて拍手までいただいて、本当にありがたい仕事だと思います。きょうはどうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。

倍賞
こんにちは。本当に大きい映画館なんでビックリしました。小さい小さいって言ってるから、、、

安田
ねぇ。勝手なイメージでした笑

倍賞
すごくびっくりしちゃいました。

安田
超大作みたいな笑

倍賞
本当に見て下さって、今日沢山のお客様がいらしてるんで、すごく嬉しいです!まずそれです。ありがとうございます。

松下
真里役を演じさせていただきました松下奈緒です。こんな大きな会場だと思っておりませんでした。ステージも絨毯だし。フワフワ、フワフワなんです!本当に昨日初日を迎えることができました。そしてこんなに沢山のみなさんに愛してもらえている作品なんだなと今日実感できました。きょうは本当にありがとうございます!面白かった、泣いたという方はぜひ色んな方に教えてあげてください。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。

大森監督
監督の大森立嗣です。そうなんです、会場がこんなに大きいと全く思っていなかったんで、、、
現場のイメージで勝手に、、、こじんまりとやっていたので。こんなに大きいところに立たせ
てもらえると思わなかったので。映画の制作に長い時間がかかりまして、やっと昨日初日、
あと皆さんの前でこうしてご挨拶ができることをとても嬉しく思っています。笑って、泣け
て、先ほど安田さんともお話したんですが、もう1個なにかほしいよねと。皆さんあともう
1個感想を言っていただけたら。

安田
僕きのう奥さんに言われたんですよ。奥さんに「見に行ったよ」って。「見てよかった、
あなた色んなところで頑張って宣伝されてたよね、あなたのPRコメントはちょっと弱
い。」

会場爆笑

安田
「あなたよくこの映画を見た後に「あったかい気持ちになって前向きになれる自分がい
ました」と言うじゃない。それだけだとちょっと弱い。それだけでなくもう一つあると、
きっとお客さんが来てくれるんじゃないか」って。実はぼく昨日考えたんですよ。
どうしても歩いていて立ち止まっちゃうときってあるじゃないですか。そういうときにドン!ではなくて、そっとちょっと背中を押してもらえる、そしてまたすっと自然と前に進むことのできる、そんな映画だと思うんです。

大森監督
なるほど。僕もそういうこと考えたんですけど、ちょっとよくわからなかったですね笑 笑って、泣けて、もう一つ何か浮かんだことをTwitterや何かにつぶやきまくっていただけますともうちょっとヒットするかもしれないですね!ありがとうございます!

――今回のタイトルを見ると、少し怖いのかなと思った方も最初はいるかもしれませんが、それくらいお母さんを大切に思っているという意味が込められています。タイトルにちなみまして、キャスト、監督の皆様にとってお母さまの存在とは、どのようなものなんでしょうか。

安田
そうですね。母の存在とは何かと言われればそれは母ですね。うちの母は僕すごく大好きなエピソードがあって、よく話させていただくんですが、僕の目の前でカレーをこぼした瞬間に私じゃないと言ったんです。そういう母なんです。なんか今振り返っても、それまで経てきた母の人生というか、それを垣間見た気がして。
北海道の夕張市というところで産まれたんですけど、「小学生の時は結構日本舞踊を習うことができるようないいところのお嬢様だったのよ私」っていうんです。それが、夕張で商店をやっていたんですが、夕張は炭鉱の町だったじゃないですか。炭鉱の方にお金をもらうんじゃなくて貸しだったんですよ。そしたらお金を全部払ってもらうことができなくて、つぶれちゃって、両親が離婚して、うちの母の父、僕のおじいちゃんがお酒に走るようになっちゃって。中学校2年生くらいの時から、新聞配達をやっていて、結構当時田舎だったもんだから、いろんな人から偏見の目でみられたことがあったらしいんです。そういうときに一番悔しかったことは何?って聞くと、そういう周りの偏見の目でみられることだったり、自分が学歴というものがない中で育ってきた中で、一生懸命頑張ってきたけれどそういうのが一番悔しかったかなって。一番嬉しかったことは何?って聞くと、お兄ちゃんとあなたを産んだことだよって言ってくれたことがあって。そんな母が私の目の前でカレーをこぼした時に「私じゃない」と。こぼしたことは自分でもわかっているんだけど、条件反射でそう言ってしまった母というのがいろいろ見えてきて、彼女が経てきたものが。その時に僕はこの方から産まれてよかったなと思って。僕の産まれる前に色んなことがあったんだなと、育ててくれてありがとうと思っちゃうエピソードですね。

倍賞
とても習い事というか、自分が踊ったりするのが好きな母でしたね。そういうことに凄く一生懸命だったお母さんでした。一つのことに。お父さんは秋田の人でお酒のみでした。お母さんはこれと決めたら突進していく母だったなと覚えています。

松下
うちは専業主婦ですけど、どちらかというとマイペースでおっとりしているような母親で、どちらかというと私に似ているので、私もだんだん年を重ねていくと、テレビを見ている姿とかそういうのが凄く自分に似ているなと思う瞬間が最近増えてきました。年を自分がとっていくと、すごく愛おしくなってくる、今そういうところです。

安田
やはり似てるかなと思うところはあるんですか?

松下
父親が間違えるんです。後ろ姿を。髪型も私のような感じなので。うちの父親がママママって私のことを呼ぶんで、違うからってことがよくありますね。

大森監督
私の母については聞かない方がいいと思うんですが、麿赤児というお父さんの奥さんだった人ですからね。
父親よりも狂暴なんですよ笑
大変なんです。子どものときに写真見たらおもちゃのピストル持ってましたからね!笑
うちの母はおれと南朋を、、、途中で親父はどこかいなくなってしまったので、やっぱりここまでというか、南朋も育ててくれたんですよね。だからいろいろやっぱり、今も元気なんですけど、お袋と会っているとなかなかの狂暴なお袋でもあるので、、、
たとえば倍賞さんとお会いする時にうちのおふくろみたいな人なのかな、、、とかこういう一つの定規にしておくというか、この人とどっちが怖いかなみたいな気分になれるような方です。

安田
大抵の方は優しく見えるということですよね

――ご自身が贈られてうれしかった思い出深いプレゼントも伺いたいと思います。

安田
この映画の宣伝も含めて色々テレビ出させていただいたときに、とある番組で初代タイガーマスクのプロレスラー佐山聡さんという方から、僕の凄くあこがれの存在なんですけど、タイガーマスクの覆面にサインをして送っていただいて、これはもう、、、僕が小学校2年生、3年生、4年生くらいのときに本当にもう一世を風靡した社会現象になった素晴らしいプロレスラーの方なので、、、その方からいただいた、、、そのマスクが大分嬉しかったです。

――倍賞さんはいかがですか?

倍賞
私生もの食べないんです。お魚とか。友だちから肉の塊をもらったんですよ。ローストビーフを焼く用にって。それ嬉しかったです!3キロくらい。すごく嬉しかったです。焼きました。

――松下さんは

松下
プレゼントはあんまりそんな、、、

安田
引きこもってテレビ見たりとか、プレゼントはそんなにとか笑

松下
モノっていただくよりも、この映画を見終わった後に何がプレゼントかっていったら、母親が元気でいてくれることって思ったんです。本当に。なんかそれが一番うれしいことだなって。映画の宣伝っぽいからってことではなくて、実際に本当に見た後に家族が本当に元気でいられるって一つ自分にとってスゴイプレゼントだなって。

安田
ぜひ、今のをいっぱい書いていただいて、、、笑

大森監督
僕はこの映画の撮影中に誕生日がありまして、ある日撮影をやっていたら、倍賞さんがいないなぁってなったんです。戻ってきたら「撮影どころじゃないのよ!」って。ずっと僕の誕生日プレゼントを探してくださっていて、稲穂にリボンがついているものと、大垣の温泉のチケットをいただきまして、ありがとうございました!

――実は本作が初の映画化となりました、原作者宮川サトシ先生から公開を祝したサプライズのプレゼントが届いております。では、宮川先生壇上におあがりください!

安田
びっくりした!ありがとうございます。

――先生に、劇中の宮川家と監督を特製のイラストにしていただきました。

miyakawasenseiirasuto.png

安田
監督が空から出ちゃってる、、、笑
監督が空に浮かんでるっていうのはどういう、、、笑

宮川さん
監督の愛とかけて、空から皆さんに愛情をささげてる感じを表現したくて、空に浮かべてみました。

安田
ありがとうございます!すごいありがたいですね。

松下
最初この映画をやるにあたって原作を見せていただいて、その時の絵のタッチと違って、それが凄く新鮮に見えます。嬉しいです。

安田
凄く嬉しいんですけど、蓮司さん、、、
石橋蓮司さんだけすごく顔に影が出てますよね笑

宮川
直前に石橋さんのやくざ映画を見てしまったので、、、笑
その影響が、、、すみません笑

安田
この映画の絵を描く直前にやくざ映画の方の石橋さんを見てしまって笑
それで若干こうなんですね笑

<安田顕さんからのメッセージ>
本当に、シンプルにこういう作品に携われたことが嬉しいです。キャストの皆さん含め、監督、みなさんと出会えたこと、本当に短い撮影期間中でしたが、倍賞美津子さんのことを自分の母親として、そういう時間を過ごせたこと、大森組でこの撮影をしたときの時間に対して心から感謝申し上げます。こんなに沢山の方が初日、2日目を見届けていただけて本当に嬉しいです!今後とも皆さんに、もしよかったと思ったら、お友達、お知り合いの方に宣伝していただけたら幸いでございます。本日はどうもありがとうございました!

「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」
全国公開中

出演
安田顕 
松下奈緒 村上淳/石橋蓮司
倍賞美津子

監督・脚本:大森立嗣 原作:宮川サトシ「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」(新潮社刊)
音楽:大友良英/主題歌:BEGIN「君の歌はワルツ」(テイチクエンタテインメント/インペリアルレコード)

http://bokuiko-movie.asmik-ace.co.jp/

この記事を書いたのは

SODANE編集部

SODANE編集部です。