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家政夫のミタゾノ #4【再】

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めぐみ横丁

2009年06月12日(金)

イロメガネ

「言えないなぁ。言わない方がいいと思う。」

ある質問をしたら、こう返ってきた。聞いた瞬間は、面食らった。

*         *        *

「おすすめの映画ありますか?」

映画が好き。元気をもらえたり感情を揺さぶられたりするから。

映像をたくさん見てる大先輩に是非教えてもらいたい!と思い、

気軽な気持ちで聞いてみた。

すると、言わない方がいいと思う。と意外な答えが返ってきた。

期待していた答えとはかけ離れていた。

…なぜ、ですか?

コレがいい、とすすめると、

先入観がある状態で見ることになる。

お前には、“自分で”いろんな映画や本など作品に出会ってほしい。

同じ理由で、DVDを借りる時は、一切解説文を見ない。

それに。

はい

今、コレがいいんだよ!

と言っても、見ていなかったら、知らなかったら

そこで話が終わってしまう。

お前がコレを見ました!って言って、

同じ土俵で話ができた方がいいだろ。

ただ、お前が見てアツく話してくれるのは大歓迎。



なるほど・・・

たとえば、ご飯を食べに行くとして。

『あのお店、おいしいわよ~』と誰かに聞いて行くと、

他人が良い!と言っていた、というフィルターを通して味わうことになる。

もちろん、それも素敵なこと。うん、間違いない。

じゃあ、散歩をしていてたまたま入ったお店にいくとする。

素晴らしくて、味もおいしい!

となると、人から聞いた評判のお店、という

“イロメガネ”をかけずに、

自分のものさしで味を見た、ということになる。

つまるところ、

先輩は、アンテナを張って、

自分で何かを見つけ、それを感じる力をつけてほしい

というメッセージをくれたのかもしれない。