2015年08月05日(水)
生
知床では、毎日たくさんの生き物たちに出会いました。
朝、オホーツク海の岩場に佇むカモメの鳴き声で目が覚め、
宿の外に出ると、裏側にある木の枝に
体長180cmほどのオジロワシがとまっています。
ウトロから知床岬に向かおうと、知床横断道路を通行中、
エゾシカやキツネが、何度も横切っていきました。
極めつけは、ウトロ港から知床岬までの、およそ3時間のクルーズ。
断崖絶壁を間近で眺めながら
小型船からは見られたのは、
ウミドリ、イルカ、クジラ、
海で泳いだり陸で昼寝をするヒグマ。
さらに、30頭ものシャチの群れに遭遇!
四方八方から船に向かって突進してきたり
くるっと回っておなかをみせたり
ジャンプしたり
「シャチは好奇心旺盛なので、船に寄ってくることもあります」と船長さん。
それでも、ここまでの大群は、かなり珍しいんだそうです。
あまりの迫力に、思わず、
隣にいた外国人観光客と、ハイタッチしちゃいました。
じーーーーーーっ
ち、近い!!!!!
ウトロから車でおよそ40分の羅臼側でも、
地元の漁師さんが操縦する船に乗りました。
あいにく、濃霧で視界が悪く、出会ったのはイルカ数頭のみ。
「あー、悔しい!これでは何も見せていない」と、浜言葉でつぶやく漁師さん。
ひとつ気になったことがあったので、私はその漁師さんにたずねました。
「 霧の中、船が折り返す時にすぐ目の前に見えた、
青く浮かんでいた島は何ですか?」
「あれは、国後島。」
これまで何度もニュースでお伝えしてきた、北方領土問題。
漁師さんの低い声が、耳の奥で鳴り響きました。
同時に、北方領土という言葉が、心の中で、
よりくっきりと、立体的に、浮かび上がってきました。
(つづく)