2015年08月07日(金)
熊
知床に行ったら、外せないスポットは、
原生林に囲まれた知床五湖。
ガイドさんの話を聴きながら、五湖を目指して
およそ3時間、ゆっくりと森の中を散策しました。
夏でも涼しくて、空気がひんやりとしています。
湖面にうつるのは知床連山
しばらく歩を進めたところで
ガイドさんがピタッと足を止めました。
「こちらを、よくごらんください」
ん? 木の幹・・・
「よーーーく見てみてください。木の幹の、右下のあたり・・・」
「あっ!」
爪でひっかいたような跡
熊の爪痕です。
今の時期、ヒグマは、
水芭蕉の根や、アリなどの虫を食べるほか、
木の実を食べるために木登りするんだそうです。
ガイドさんによると、現在、知床に住むヒグマは、およそ50頭。
ウトロ港から知床岬までのクルーズに参加した時も、
寝そべったり、水遊びする姿を目にしましたが、
その目と鼻の先には、人が住む場所もあります。
お互い、近くにいても干渉しすぎることも、じゃまをすることもなく、
良い距離感を保ちながら、生活をしているんですね。
クマと人が共存する 知床のルシャ地区
一方で、観光客によるエサやりなどによって、
やむなく命を奪われてしまうクマもいます。
"食物連鎖" が評価され、世界自然遺産に登録されて10年。
世界遺産 = 観光地、というイメージが強いと思いますが、
登録に際して、こういう概念があるんです。
「世界遺産は、人類共通の宝物。
みんなの心に平和の砦を築かなければならない」
環境保全。 動物・自然・人との共生。
多くの課題も抱えながら、
長い歳月をかけて育まれてきた美しい自然を
次の世代につなげるために何ができるのか、
しっかりと考えなければなりませんね。