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めぐみ横丁

2018年03月09日(金)

何とも言えない深淵な音の響きに圧倒されました。 

音楽家・坂本龍一さんの活動の様子を追った

ドキュメンタリー作品

Ryuichi Sakamoto: CODA

冒頭、3.11の震災で津波に流されたピアノを

坂本さんが演奏するシーンからはじまります。

ドの音も、レの音も、ミの音も、

水をかぶったからか

鍵盤を叩くと少しこもって聴こえるけれど、

坂本さんが曲を演奏すると、

鬼気迫った、圧倒的な力を持った音となって 

胸にずーんと迫ってきました。

この作品の余韻を感じながら、先日、

坂本龍一さんの音色が"体感"できるという展示会へ。

abcde_R.jpg

展示室に足を踏み入れると、そこは暗闇の中。

部屋の奥の奥の奥、ただ一か所だけ

明かりが照らされているのが見えましたが、

まっすぐ歩くのも

少し足元がおぼつかなくなるくらい

真っ暗でした。 

シーンと静まり返る中

"かさっ、かさっ"

枯れ葉を踏んだ時みたいな音や

"コポポポポポポ"

水の中の音みたいなものが、

ときおり、断片的に、聴こえてきます。 

そろり、そろり。そろり、そろり。

明かりのあるところを目指して歩き出します。

壁際でガサガサっと何かが動きました。

びっくりしておそるおそる近づきました。

人が、いるではありませんか。 

そうか!"体感"する展示会って

こういうことなんだ!

私もほかのお客さんにならって

壁にもたれかかりました。

目をつぶると、

足元から全身に音が伝ってくるかのようです。

しばらくすると、会場内のスピーカーから、

風や水などの自然音にまじって

ピアノの高音が、長く、細く、聴こえてきました。

部屋の奥で

明かりに照らされていたのは、あの、

『Ryuichi Sakamoto: CODA』に登場したピアノでした。

曲がった鍵盤。折れ曲がったピアノの線。

少しばかり土色のペダル。 

7年経った今も、あの時の記憶が

はっきりと、一台のグランドピアノに刻まれています。 

 

今週末3月11日は、震災から7年。 

札幌駅前通地下歩行空間で、今年も こちら のイベントを行います。

朗読や、トークショー、展示物も。

『防災・減災』について。

一緒に、考えてみませんか。