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めぐみ横丁

2018年11月28日(水)

"芸術は爆発である"
かの有名な言葉を残した
芸術家・岡本太郎さん。

代表作のひとつ "太陽の塔"は、 
1970年の大阪万博のためにつくられた建造物で、
会場でひときわ異彩を放っていました。
子どもの頃、資料映像としてテレビで観て、幼心に、
大きさだけでなく、圧倒的な存在感に 
強い衝撃を受けたことを、今も鮮明に覚えています。

そんな岡本太郎さんの絵など、
作品を集めた展示会に、行ってきました。 

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"芸術家・岡本太郎" と聞くと
ぱっと頭に浮かぶ色があります。
"原色" 。とりわけ、" 赤" です。

アトリエとして使われていた空間を美術館にした
東京の"岡本太郎記念館"にも、学生時代、足を運びましたが、
その時抱いた印象も、目がさめるような
ほとばしるほど強烈な"赤"でした。

今回、たくさんの絵に囲まれて初めて気づいたんです。

たしかに、"赤" を配色した絵や作品は多い。
まず目に飛び込んでくるのは、やはり赤。
でも、それだけじゃない。
よく観ると、どの作品でも必ずといっていいほど
象徴的に使われているのは " 黒 " だと。

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燃えたぎる魂の叫びを表現したかのような力強い筆致の絵からは、
ゴーゴーと、低いうめき声が聞こえてくるようです。
"黒"がなかったら、全く異なる印象の作品になっている気がします。
東京・渋谷駅にある大きな大きな"明日への神話" も、そう。

赤と、黒。  
『物事には、必ず表と裏がある』
そんなメッセージが込めているようにも感じられました。

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展示会では、" 太陽の塔" やその内側の構造も
模型で紹介されていました。

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今年の春、48年ぶりに塔の内部が一般公開され、
ニュースでも取り上げられました。
では、この塔の"裏側"がどのようになってるか、ご存知ですか?

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"黒い太陽" が、描かれています。

"過去を表している"とされていますが、
今年公開されたドキュメンタリー映画『太陽の塔』を観ると、
『この黒い太陽は " 人間によってつくられた太陽= 核 " を
イメージして描かれたものである』という、
専門家の見解が紹介されていました。
真意は定かではないけれど、 
表層的に見るだけでは分からない裏の顔が、
そこにはたしかに存在します。


2025年。
およそ半世紀ぶりに、大阪で、
再び万博が開催されることになりました。
華やかだった前回の大阪万博。
跡地は"負の遺産"との声もあがる中、
一方で、今回も盛り上がること間違いなし。 

岡本太郎さんは、2025年の大阪万博を、
そして今の日本を、これからの日本を、
どんな思いで見つめているのでしょうか。