
あらすじ
3話

札幌の路地裏に佇む『くま弁』。
千春(久保田紗友)の案内で、北海道旅行中の姉弟がやってきた。
司法試験に合格した姉・美馬(大後寿々花)と、旅行を企画した大学生の弟・一馬(瀧原光)。
ユウ(飯島寛騎)への注文は、旅の締めくくりに食べる空弁。
一馬は自慢の姉のために、スープカレーやラーメンのような北海道グルメを詰め込んだ特別な弁当をつくってほしいという。
無茶な注文を美馬はたしなめるが、一馬は聞く耳を持たない。
居心地の悪そうな美馬を見て、千春は一馬を帰し美馬が一人残れるように仕向けた。
千春が改めて事情を聞くと、美馬は「もう弟のお手本にはなれない」とうつむく。
ユウにも面倒をかけると、注文をキャンセルしようとする美馬だが、ユウは注文を受ける。
翌日。くま弁にはユウ、千春、熊野、姉弟の姿。
弁当の中身を確かめる一馬と美馬。
弁当箱は九枡に区切られ、三つの枡にそれぞれ俵型のご飯、残り六つの枡に、鮭の南蛮漬けや玉子焼き、昆布の佃煮といった地味なおかず。
リクエストと違うと不満の声をあげる一馬にユウは「メインはご飯」と伝える。
六つの俵ご飯は、それぞれ種類の違う“北海道米”の新米だった。
ユウは“北海道米”開発の険しい道のりと努力を語る。
当時を知る熊野も懐かしそうな様子だ。
一馬は納得して満足するが、美馬は「自分が惨めになる」とうなだれる。
そして徐に口を開き、司法試験に不合格だったことを告白した。
涙ながらに謝る美馬に、一馬は変わらず自慢の姉だと告げた。
会話を弾ませ機内で弁当を食べる二人。
美馬は再び司法試験に挑戦することを宣言した。
くま弁で食卓を囲む千春とユウと熊野と黒川。
北海道ならではのおかずとともに、新米を食べ比べている。
いつもの団らんの時間だ。そこに、千春の携帯が鳴り響いた。
その場を離れ電話に出ると、上司から東京本社に戻るかどうか催促の電話だった。
千春は未だに結論を出せずにいる。
ユウは悩んでいるなら相談してほしいと千春に伝えたが、返ってきたのは返事だけだった。