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相棒セレクション 相棒13 #14【再】

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お祓いを済ませて

2012年8月11日(土)

さきほど、会社近くの豊平神社でお祓いを済ませました。

お祓いの段取りは、こうです。

オールスタッフが神前に座り、撮影中の無事故と快晴と、そして成功を祈願して、神主さんが我々の前でミコトノリを捧げる。その後、プロデューサー陣、撮影部や照明部など各部の代表が順に前に出て、神主さんから、なんかあの、葉っぱが付いた枝を渡されて、神前に捧げる。葉っぱをうやうやしく神前に置いて、二礼、二拍、一礼をして下がる、という。

コレ、後ろに20人あまりのスタッフがいる中で、代表者だけが前に出てやるんで、多少の緊張もあるわけです。

「最初に2回おじぎしてから、2回手を叩くんだな」と、段取りを確認したりして。特に監督の私は、一番最後に神前に出て、そのときは後ろに控えるオールスタッフが私と一緒に全員立ち上がり、私と一緒にタイミングを合わせて手を叩くという、そういう段取りもあるわけで、そりゃもう間違いなんかできないわけです。

3年前の「ミエルヒ」のときには、お祓いで、こんなことがありました。

プロデューサーの福屋キャップがまず神前に出て、二礼、二拍、一礼をいたします。その落ち着き払った堂々たる姿に、私は「おーさすがキャップ」と、「落ち着いたもんだ」と、感心しておりましたところ、最後の一礼を終えてドヤ顔でこちらを振り向いたキャップのズボンのチャックが全開でありまして。それを見てしまった私は、「おいキャップ!神前でなにを見せてんだよ」と、どうにも笑いが止まらない。笑っているうちに私の順番が来まして、後ろのオールスタッフが一斉に立ち上がり、「さぁ!決めるぞ」と、いったところでわたくし、完全に段取りを忘れてしまいまして、いきなり両の手を大きく広げて柏手を打つ体勢に入ってしまいました。後ろに控えるスタッフたちの「うっ」という息をのむ声を聞きまして、「やばい!」と、「オレ間違えた!」と、広げきった両手を、なんとなーくおろして、小さくなって二礼したという、そんな不甲斐ないお祓いをいたしました。

まぁ今年はそういう不謹慎なこともなく、無事にお祓いを終えたところでございます。

さて昨夜は、「いよいよ討ち入り」ということで、スタッフ全員集まって酒を酌み交わしました。
その最後の乾杯の挨拶で、私はこのようなことを申しました。
「世間も、そしてウチの会社自体も、北海道のローカル局ががんばってドラマを作るんだ、地方でがんばっているんだ、ぐらいにしか思ってない。でも、オレらはそうじゃない。オレらは、日本のトップに立つドラマをこれから作るんだ!」と。

ドラマ「幸せハッピー」は、決してわかりやすい物語ではありません。ドラマの中では、震災も扱い、宗教も扱います。見る人によっては、とらえ方がまったく違うものになるでしょう。このドラマは、これからの日本人が、普通の人々が、なにをもって幸せとしていくのかを主題にしています。これは、「賭け」になるのかもしれません。しかし、そんなイチカバチかの「賭け」をするのは、北海道という北の端っこで、「水曜どうでしょう」という博打を打ってしまった我々の、それが役目だと思って、明日のクランクインを迎える所存です。

嬉野先生は、作家青木豪と膝を詰めて練り上げたこの物語の意味を、ともすれば笑いに走りがちな私に、いろいろと教えてくれました。嬉野先生の言葉を灯台にして、これから2週間あまり、ドラマの現場に全力を投入いたします。

本日の札幌は晴れ!です。

藤村 忠寿