花子さん
2012年8月18日(土)
そういえば「ミエルヒ」は、おじさんのドラマでした。
そしていま撮影している「幸せハッピー」は、おばさんが主役のドラマです。
ぼくらは若い人に興味がないのでしょうか。いや、そうではないのです。
おそらくそれ以上におじさんやおばさんと、それを取り巻く状況に強く惹かれてしまうのだと思うのです。
そこになにがあるのだろう。
「幸せハッピー」はビルに囲まれた谷間のような町の一隅にもう長年建っている小さな製麺所が舞台です。
ぼくらが心惹かれるのはそこで暮らす人たちがどういう仕事をして食べているのかが一目でわかるような家業を持つ家族だというところです。
家業を持つ家族はこどもが小さい頃から自分の親が何を生業にして生きてきたのかを見てきている家族です。働く理由も生きて行く意味も身近なこととして体で分かっている人たちです。
この物語の主役の名前は花子さんといいます。製麺所の奥さんです。その役を演じてくれるのが渡辺えりさんです。
撮影を始めて今日でちょうど一週間になりますが、渡辺えりさんの演技は物凄いです。各シーンにある笑いも、緊迫感も、叫びも、あらゆる感情をえりさんが増幅させているような気がします。
えりさんは青木豪の作品世界に深く共感し主役としてこの作品を背負ってくれているだと思います。心強い限りです。
写真は渡辺えりさんと旦那さん役の大谷亮介さん、それに藤村監督です。
とにかく、どの役者さんも登場人物のイメージにピッタリはまっているのです。凄いことですよこれは。