プレイバック2024 ハラスメントに裏金そして選挙 政治の一年を振り返る
2024年12月26日 16:34 掲載
自民党・長谷川岳参議院議員「何かしたのか、してないのか。
なぜしない。僕はブチぎれるよ」
札幌市が開示したのは、3月、自民党の長谷川岳参議院議員が市や道の幹部職員と打ち合わせをした際の音声です。
長谷川議員「要は規制緩和は全部通すようにやっているよ。あんたから1回もありがとうもクソもメールもない。ありがとうもない。結果もない。誰だ、お前はって感じだよね」
札幌市幹部「申し訳ございません」
長谷川議員による叱責は、20分以上にわたり続きました。
秋元市長「かなりきつい調子で言われる方ですので、そういう風に受け止める場合もある」鈴木知事「私からも適切に対応すべきではないかと。
改めるべきは改めるべきではないかと、直接申し上げました」

長谷川議員「初当選以来、やはり表現方法に関して本当に無自覚であったと心から反省しています。特に時代に合わない言動というのは、これはもう本当に最優先で変えていかないといけないと、そのつもりで本気で取り組ませていただきます」
自身の言動を振り返り、反省の弁を述べた長谷川議員。
しかし、その後も次から次へと、過去の威圧的な言動が露わになりました。
「圧力」は、同じ自民党の道議会議員に対しても。
「『あなたの支援者に対しても、もう応援しないよう話するからね』という発言をされる」
札幌市の職員が、東京の事務所を訪れた際に、面会を数分で打ち切った事実
も明らかになりました。
長谷川議員「14年間の中でおごりがあったことをお詫びしたいと思います。ゼロから出直します。どうぞよろしくお願いします」
長谷川議員は、参議院の地方創生・デジタル社会特別委員長を事実上、更迭されました。
ハラスメントが明るみに出てから9カ月。
長谷川議員に変化はあったのでしょうか。
秋元克広札幌市長「表現の仕方はかなり穏便になっているという認識は持っています」
列島を揺るがした議員の裏金問題。
北海道でも議員辞職まで追い込まれた人も。
「一連の政治資金問題、不記載問題について、国民の皆さま方、道民の皆さま方に深くお詫びを申し上げたい。
政治家として、一人の男として、人間としてけじめをつけたいという思いでありました」

およそ2200万円の裏金が発覚した、堀井学元衆議院議員。
東京地検特捜部の捜査を受け、9月、政治資金規正法違反と公職選挙法違反の罪で有罪となりました。
不透明な金が招いた、自民党への不信感。
それは、10月27日、衆議院選挙の結果となって表れました。

自民党・和田義明前衆議院議員「必ず勝ち抜いて、勝ち抜いて、皆さま方のお役に立って、一歩一歩北海道を元気に、日本を元気にして、皆様さま方を豊かに、幸せにしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」
北海道5区から出馬した和田義明前衆議院議員。
およそ990万円の不記載がありました。
道民が下した審判は…
和田前議員「ひとえに、ひとえに私の不徳の致すところでございまして、心から、心からお詫び申し上げます。収支報告の不記載の問題が大きかったと思います」
3期8年にわたって守ってきた議席を失い、今後について明言を避けた和田氏。
12月15日、自民党道連の政経セミナーに姿を見せました。
和田前議員「頑張ってまいります」「入ってくる情報量は議員の時とは圧倒的に違いますし、霞が関(官僚)、市ヶ谷(防衛省)との連携は今まで通りにはいきませんので、そこの所はある意味自分から出向いていかなければならない。本当に地元にご迷惑にならないといいなと思っています」
今は、週のうち5日は地元を回り、2日は情報交換のため、東京に行く生活をしていると言います。
浪人中の身でも毎日活動している姿を伝え、支援者との距離を縮めたいと、自身で動画を撮影し、SNSに投稿しています。
10月の衆院選。
道内では立憲民主党が12議席を獲得する大躍進。
自民党には、ハラスメントと裏金による大逆風が吹き、10あった議席は、6まで減りました。

その中で、唯一、自民党の新人議員となったのは、道南の8区を地元とする、向山淳衆議院議員です。
比例復活で滑り込みました。
「声かけづらかったから。もう先生になっちゃったので」
「何言ってるんですか」
「お元気そうで」
「お世話になりました」
始まったばかりの、地元と国会を行き来する生活。
思うように地元に帰れずもどかしさを感じていると言います。
向山議員「おとといも5時から3分だけ本会議があったので、最後の便には乗れない。
新幹線も7時まで待たなきゃいけないとか、結構時間調整含めて行き来が大変なところもあるかなと」
この週末は、地元で当選後初のミニ国政報告会も開かれました。
支援者からは、厳しい生活や地域交通、一次産業の課題などについて切実な声が。
向山議員「皆さんの課題感を率直にぶつけていただけるので、党の中や、国会の場で戦っていく糧をまたいただいたなと。1年目か10年目かは有権者の皆さんにとっては関係のない話で、この地域を1票1票代弁して話をしているという意識で何の躊躇もなく発言していくつもりでいます」
自身も比例復活で当選を果たした自民党道連会長の中村裕之衆議院議員は、厳しい荒波に抗いきれなかった1年だと振り返りました。
「政治とカネの問題が惹起をし、多くの批判を浴びましたし、それ以外も含めて度重なる不祥事もあって大変な批判をいただくことになりました。政治の信頼を取り戻し、しっかりと政策の面で北海道をけん引しなければならない」
2025年7月には参院選が控えています。
衆参ダブル選挙もささやかれる中、政治への信頼は取り戻せるのでしょうか。