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リアル「ちはやふる」 “畳の上の格闘技” 競技かるたに青春かける高校生 全国大会への挑戦に密着

静寂に耳を澄ませて…。(かるたを払う音が響く)その激しさから、「畳の上の格闘技」と呼ばれる競技かるた。

女子高校生:「(始めたきっかけは)ちはやふるですね、私は」。
女子中学生:「(ちはやふるの)映画を見て、それで感動しちゃって入りました」。

累計発行部数は、2900万部。競技かるたに情熱をかける高校生たちを描いた漫画「ちはやふる」。大ヒットの影響で、いまや競技人口は100万人を超えています。

女子高校生:「やばいね、ボロボロにならないか心配」。

高校生の青春「競技かるた」の世界とは?

江別市にある立命館慶祥中学校・高等学校。

森唯菜アナウンサー:「格技場で練習しているそうです。失礼します。皆さんジャージなんですね。かるたを前に、正座をして向かい合っています。すごい緊張感。かるたが今舞いました。畳を叩く音もすごいです。激しい」。

中学生と高校生、合わせて30人が所属する競技かるた部。全道大会を勝ち抜き、かるたの甲子園と呼ばれる「全国高校選手権大会」に、道内で最多の8回出場している強豪校です。

立命館慶祥高校1年・寺町果歩さん:「思っていた以上に難しいけれど、思っていた以上に楽しい」。
立命館慶祥高校1年・植田風香さん:「体的にも脳も、めっちゃ疲れる競技」。

競技かるたに使われるのは、上の句と下の句からなる百人一首。下の句だけが書かれた取り札を25枚ずつ、それぞれの陣地に並べます。上の句が読まれたら、それに続く下の句を取り、先に自分の陣地にある札をゼロにした方が勝ちです。相手の陣地から札を取った場合は、自分の陣地から1枚渡すことができます。

立命館慶祥中学3年・高橋絢春さん:「(Q.100首もどうやって覚えている?)語呂合わせみたいな感じで」。

立命館慶祥高校1年・寺町果歩さん:「この札は、(上の句が)『うかりける』っていう札なんですが、『うか』って聞いて取れる札なんですけれど、『うっかりはげ』みたいな感じで覚えていく」。

1試合にかかる時間は1時間半。知力だけではなく体力も必要です。毎朝、素振り練習して体幹を鍛えています。

立命館慶祥高校1年・植田風香さん:「手の動きのシミュレーションをしていた方が、実際に読まれた時に手が出しやすかったり、体が動かしやすかったりするので、素振りは大事です」。

札を払う速さを、目の前で見てみると…。

立命館慶祥高校1年寺町果歩さん:「ここ払いますね」。
森アナウンサー:「うわ~。殴られたかと思いました、いま。すごい早かった。これ、敵陣の札を取ろうとしても、そもそも反対側から読むのがすごく難しい。何て書いてあるのか、全然読めない」。

この日は札幌市内で、月に1度の特別な練習が行われていました。

森アナウンサー:「今日はいろいろなジャージが見えますよ。たくさんの学校の人が集まっています」。

立命館競技かるた部顧問・里見直人教諭:「他の高校の実力が近い選手と試合をすることで、互いにレベルアップしていけたらいいなと思ってやっています。北大生の方ともよく練習させていただいています」。

試合前にミーティングをしていたのは、団体戦のチームを組む立命館慶祥高校と北海学園札幌高校のメンバーです。

北海学園札幌高校2年・星逢鈴さん:「うまくちゃんときれいに取れるのが敵陣に1枚あれば」。
北海学園札幌高校2年・大元奏那さん:「それで流れに乗れればいい」。
立命館慶祥高校1年・植田風香さん:「絶対に声掛けで押されないようにしなきゃ。雰囲気だけでもさ」。

実は彼女たち、道内のトップ選手を集めた「北海道選抜チーム」。去年12月、岩手県で行われた地区大会で、東北の強豪を破り初優勝。来月「全国高校生かるたグランプリ」に挑みます。

「北海道ファイト、ファイト!」

全国大会に向けて、格上の北大生との練習試合。団体戦は5対5で同時に戦い、3勝した方が勝ち。メンバーで励まし合って、勝利を目指します。

「こっち取った。」「ナイス!」「こっちも取ったよ。」「ナイス!」「北大1勝。」「ナイス!」

1回戦は4対1で北大生のチームが勝ち。

北大チーム:「どっかで(敵陣の札を)抜けないと、あの劣勢の流れは変わらないから、頑張って1枚抜きたかった」。

立命館慶祥高校1年・植田風香さん:「自分たちの流れが来ている時に、みんな『取った』しか言わないから、別な声かけをしたいなと思って」。

北大チーム:「チーム内で、どこまで言うか基準を決めた方がいい」。

1日で、立て続けに5試合をこなす厳しい練習。試合の間の休憩時間はわずか5分です。実際の大会も、昼休みなしで試合が続くことが多いといいます。

北海学園札幌高校2年・星逢鈴さん:「(おにぎり)1個全部食べ切れないことが多い。たくさん食べすぎると、暗記時間に眠たくなってしまうので、少しずつ食べています」。

実はこの日、練習に励んでいたのは選手だけではありません。

立命館慶祥高校3年・佐藤志乃さん:「きれいな読みを1時間ずっと発する姿がかっこいい」。

高校3年生の佐藤志乃さんは、百人一首の読み手「読手」です。全日本かるた協会の厳しい審査に合格し、去年道内最年少で公認読手に認定されました。来月の全国大会でも、読手を務めます。

佐藤志乃さん:「下の句の最後の文字を3秒延ばして、その後に1秒『間』と言って、静かになるタイミングがあるんですが、3秒と1秒を守らないといけなくて、タイミングを合わせるのがすごく難しいです。緊張した気持ちが読みにも伝わってしまうので、メンタル面も読手は鍛えていかないとダメだなって」。

競技かるたに情熱を注ぐ高校生たち。全国大会は来月8日と9日、東京で行われます。

立命館慶祥高校1年・植田風香さん:「全国のレベルの高い選手たちと戦えるのは、貴重な機会なので楽しみつつ、いいものを得られるように日々の練習を頑張っていきたい」。

メンバー:「全国大会、頑張るぞ。おー!」

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