函館にパンダが!?1980年代 空前の博覧会ブームの中北海道で開催された懐かしの博覧会の数々
2025年 5月12日 17:09 掲載
■前田愛奈記者:
「パンダが公園に2頭います。かつて本物のパンダが函館にもいたんです。」
■函館市民:
「みんな飛んで行きました」
中国のパンダが函館に!?
ニュースアーカイバーはかつて北海道で開催された懐かしの博覧会の数々を秘蔵映像で振り返ります。
先月13日から始まった「大阪・関西万博」。来場者数は200万人を突破しました。大阪・関西万博のように国際条約に基づいて開催される万国博覧会とは異なりますが、北海道でも今月こんな博覧会が。
今月30日から旭川市で始まる「全国菓子大博覧会」。全国各地からおよそ1000種類のお菓子が集まります。
1911年から4年に1度のペースで開かれているお菓子の祭典で、道内での開催は57年ぶりです。
■旭川市民:
「行こうと思っています。」
空前の博覧会ブームが巻き起こった1980年代。道内でも様々な地方博が開催されてきました。
こちらは1982年、帯広市で開かれた十勝博。
先端技術を使った農林業の未来像などが紹介され、およそ54万人が訪れました。子どもたちの人気を集めたのが新幹線ひかりの車両展示。
静岡県から5日間かけて運んだそうです。
1984年、「新しい、海のある生活都市へ」をテーマに開催されたのは小樽博覧会。ひと際目を引く巨大な貝殻シアターに高さ50mの観覧車。
スタンディングコースターも登場し、21世紀の未来を多彩なパビリオンと遊戯施設で表現しました。
1986年、岩見沢市でも一大イベントが。「北海道21世紀博覧会」です。この博覧会で特に注目を集めたのが…
■当時のナレーション:
「さてこのイベントの1番の呼び物といえば中国から特別に出品される兵馬俑です。中国の歴史を語る上で欠かせないこと遺品は中国一級国宝で道内では初めて公開されるものです。」
さらにタイから14頭のゾウが岩見沢に。ショーだけではなく、背中に乗ることもできました。86日間で135万人が訪れたという21世紀博。
この時会場に誕生した遊園地は今も北海道グリーンランドとして営業を続けています。
同じく1986年、札幌市北区の百合が原公園で開催されたのが「さっぽろ花と緑の博覧会」です。建設省の提唱で1983年から始まった全国都市緑化フェアの4回目で、およそ148万人が来場しました。
今も残る「世界の庭園」や、園内を走る「リリートレイン」はこの博覧会のために作られました。
■当時のリポート:
「「ゆり」という名前に人にプレゼントがもらえるということで私も来てみました。」
開催地の百合が原公園にかけ札幌のデパートには100人もの「ゆり」さんが大集合。花がプレゼントされました。
■来場者:
Qさゆりさん?
「はい」
Qおいくつですか?
「6歳」
Q誰と来たの?
「おばあちゃん」
Qおばあちゃんの名前は?
「ゆりこ」
1988年の函館空港。飛行機に乗ってやってきたのは中国四川省生まれのジャイアントパンダシンシンとケイケイです。青函トンネルの開通を記念し、青森と函館で開催された「青函博」。
函館のメイン会場には全長80mにも及ぶ青函トンネルの実物大模型が…郊外に設けられたパンダ館では2頭のパンダが72日間に渡って展示され、訪れた人々を釘付けにしました。
当時パンダを見たという函館市民は…
■函館市民:
Q見た時どう思った?
「それはかわいいでしょう。わが子のようですよね」
同じころ札幌で行われたのが…。
■当時のリポート:「すごいですね。このG加速。これはウルトラツイスターといって、北海道で初めてできたものなんですが、この月寒会場のアミューズメントパークには24種類の乗り物があって十分に楽しむことができるんです。しかし、なんといっても食の祭典。
今回は食にこだわってみたいと思います」
食への関心を高め、地域活性化を目指そうと道などが出資して開催した「世界・食の祭典」。
月寒と大谷地をメイン会場に世界各国のグルメが集結しました。
■当時のリポート:
「ここは中近東や中南米などの世界のエスニック料理を食べることができるジュノスステージレストランです。
値段の方はこれだけで1600円です。インドネシアの料理なんですが、ちょっと薄味ですね。」
総事業費はおよそ130億円。
食だけではなく、アメリカからやってきたサーカス団のショーなど様々なイベントも開催されました。
しかし…
■当時のリポート:
「月寒会場のレストランはお昼時にもかかわらず客が少なく閑散としています。」
■店の人:
「全然売れてないですね。1日1万円ぐらいですね。」
150日間で400万人の来場者を見込んでいましたが、結果は半分にも届かず赤字は80億円以上にのぼりました。
■来場者:
「ちょっと入場料が高いというのと、食事ももう少し値段を安くした方が良かった」
巨額の負債に道議会では知事が責任を追及されました。
■横路孝弘知事:
「このような結果を招いたことは極めて遺憾であり道民のみなさんにご心配をおかけしていることを申し訳なく思っております」
実は、同時期に開催された「青函博」も…。
■当時のリポート:
「青森側が目標を大きく達成したのに対し、函館側の入場者は目標より20万人少ない130万人に留まり5億円の赤字を出しています。」
道民のパンダ熱は低かったのか、パンダ館の入場者も目標60万人に対しわずか26万人に留まりました。
一方同じ年、成功を収めた博覧会も…
■当時のリポート:
「十勝海洋博は小さな町の大きなチャレンジのキャッチフレーズ通り小規模でも地域・市民の手で盛り上げています。日曜日もラッコ館が目玉となって道内各地からの団体や家族連れで賑わいました。」
当時人口1万人あまりの町に52万人の人が訪れたそうです。
成功の秘訣は…。
■十勝海洋博の担当者:
「既存施設をフル活用して、中身を手作りで作っていった。
そういった面がむしろウケたのかな。それがひとつ原因としていえると思います」