2軍本拠地による「まちづくり」の理想像とは?タイガース・ホークスの事例
2025年 7月 8日 20:44 掲載
2軍本拠地の道内移転を表明した北海道日本ハムファイターズ。球団が目指す「まちづくり」について、他球団の2軍の事例からその理想像を探りました。
■栗山英樹CBO:
「全てに対して、どこにもない世界一の施設を作る」
きのうファイターズが明らかにした、千葉県鎌ケ谷市から札幌圏への2軍本拠地移転構想。候補地はエスコンフィールドがある北広島や、札幌、恵庭、江別、千歳、苫小牧の6つの市で、2027年までに移転先を決める計画です。
■ファイターズスポーツ&エンターテインメント 小林兼本部長:
「ファイターズスポーツエンターテインメントの力を生かしながら、地域と共に成長するまちづくり」
球団が強調したのは「まちづくり」。球場の周りには住宅街や宿泊施設なども作る計画です。専門家は2軍本拠地の移転は街に大きな経済効果をもたらすと話します。
■大阪経済大 相原正道教授:
「試合を見に来る人も来る。物販とか飲食とか。直接グラウンドに来て買うときは、当然球場・球団の収入。球場の周り10kmくらい、そこの飲食業や温浴施設やホテルにも経済効果がある。」
実際に2軍本拠地が移転してきた他球団のマチは。
■平野康太郎キャスター:
「すごいですよこれ!広いです!」
阪神タイガースの2軍本拠地が、今年から移転してきた兵庫県尼崎市。最寄り駅から徒歩5分とアクセス抜群で、およそ3600席の球場は選手が1軍に上がってすぐ順応できるよう、向きや広さが甲子園球場と同じように作られています。
■平野康太郎キャスター:
「こちら実際に2軍の選手が暮らすという部屋。いやーきれいな中じゃないですか、ベッドと勉強机というシンプルな部屋」
若手選手の寮も充実。甲子園球場のホームベースからの景色が描かれたトレーニングルームや、大浴場やサウナも完備されています。尼崎市は移転による来場客の増加や、新たな店の進出などで年間15億円の経済効果を見込んでいます。
福岡ソフトバンクホークスも、2016年に2軍本拠地を福岡市内から筑後市に移転しています。市内に新幹線の駅があり、博多駅までは25分ほどしかかかりません。誘致活動を行った34の自治体の中から選ばれ、元々は田んぼだった場所に、およそ50億円かけて「HAWKSベースボールパーク筑後」を開業しました。
■筑後市ホークスファーム 水田進係長:
「当時4万9000人ぐらいの人口に対して、7万4000人ぐらいの署名が集まった。球団が求めていたのが1軍球場から1時間以内くらいの距離。4~6万平米のまとまった土地を使いたいと。」
いまでは年間およそ10万人が来場するというこの2軍本拠地。人口減少に悩む自治体が多い中、筑後市では2軍の移転以降、人口が増え続けています。
■筑後市ホークスファーム 水田進係長:
「筑後市と隣接している自治体は全て(人口が)減っている。球団が来てマチの魅力が上がったというのはある」
マチの未来を大きく変える可能性を秘める2軍本拠地。ファイターズの移転先はどこになるのでしょうか。