ファイターズ2軍本拠地は北海道のどこに…経済効果だけじゃない!意外なメリットも?本州で緊急取材
2025年 7月11日 18:35 掲載
北海道への移転方針が公表されたファイターズの2軍本拠地。経済効果に加え、戦力アップにつながる可能性も秘めているといいます。ファイターズ2軍本拠地移転について、特オシで取り上げます。
北海道日本ハムファイターズ・栗山英樹CBO:「世界に誇れる人材を育成しなければならない。この育成拠点を北海道で造るというのは、非常に大きな願いでもありました」
7日に発表されたファイターズ2軍施設の移転方針。再来年ごろまでに移転先を決め、2030年ごろに新たな2軍本拠地での活動を始める計画です。
恵庭市・原田裕市長:「来ていただきたい。そのためには、できるだけのことはしたい」
千歳市・横田隆一市長:「まずそこはいろいろお話を聞くことが一番先に進めなければならない」
江別市・後藤好人市長:「夢を与えることが出来ると思うんですね。ぜひ(誘致を)進めていきたい」
1軍の本拠地がある北広島市を訪れていた道内のファンも、2軍の北海道への移転方針を喜んでいました。
道内のファン:「2軍の選手が鎌ヶ谷にいると見られなかったりするんですけど、1軍にいても2軍にいても応援できるのはすごくうれしいです」
2軍が去る千葉県鎌ケ谷市では…。
鎌ケ谷市のファン:「全然通えなくなると思うので、すごい寂しい」「無気力、心にぽっかり穴があいた。(発表があったとき)うちは(ショックで)無言の状態でした」
オープンから28年の鎌ケ谷スタジアム。身近な場所で成長していく選手の姿を見ることができ、多くのファンに愛されてきました。
鎌ケ谷市ファイターズファーム連携推進室・岡本秀智室長:「市の知名度向上や観光面など多くの分野でファイターズ鎌ヶ谷スタジアムの存在は大きなものがあり、(移転することで)少なからず影響を受けるのがあります。移転意向表明を受け、残念に思い、寂しく思っている」
一方で、移転に対して理解を示す声も。
鎌ケ谷市のファン:「(チームが)より発展するためにということであれば私たちは寂しいですけどいいかな」「ファイターズが強くなるならいいんじゃないかな。北海道に自分が引っ越してでも応援したいですね」
計画では5000席規模のメインスタジアムやサブグラウンド、選手寮、屋内練習場を造る予定。球場の周辺には商業施設や住宅、宿泊施設の開発も。再来年ごろまでに候補地を決め、開業は2030年ごろの予定です。
会見の中で球団が協議を進めていると発表したのは、札幌市・恵庭市・千歳市・苫小牧市・北広島市・江別市の6つの自治体。そのほかに、小樽市と岩見沢市が情報収集を行っています。
2軍施設が北海道に移転することで期待される効果は大きいと、専門家は話します。球場だけでなく、周辺10キロ範囲の飲食店や宿泊施設にも良い影響。施設の維持などで新たな雇用の創出。地域のブランド力が高まる効果も期待でき、そして、経済効果だけではありません!
ファイターズOBの稲田直人さんによると、1軍と2軍の選手の入れ替えがしやすくなり、柔軟なチーム編成が可能に。懸念されている冬の期間の練習環境は、選手が自分自身で探すことが出来るので問題はないということでした。「2軍の移転はメリットしかないと考えている」とも話していました。
こういった中で他球団の取り組みは? 新たに2軍などの拠点を建設した読売巨人軍の東京にあるジャイアンツタウンスタジアムを緊急取材してきました。
加藤諒也記者:「かなり開けていて、広いですね。まわりは壁がなくて開放的になっています」
読売巨人軍の育成拠点・ジャイアンツタウンスタジアム。2軍に加え、2016年に3軍が創設され、練習場所が手狭になっていたことから、今年春新たにオープンしました。フェンスの高さやグラウンドの広さは1軍の本拠地である東京ドームと同規格。観客席とグラウンドの距離は近く、迫力あるプレーを間近で見ることが出来ます。
加藤諒也記者:「2階にあるコンコースでは、球場を見ながらランニングをすることもできます」
イベントがない日でも球場は開放。場内を1周できる通路ではランニングができるほか、ここでしか食べることができないフードメニューも。また、スタジアムには巨人の歴史が感じられる展示品も。不定期に行われているツアーで観ることができるといいます。様々な楽しみ方ができるジャイアンツタウンスタジアム。実は国内の球場では初めてとなる試みも計画されています。
加藤諒也記者:「レフトスタンド後方では、現在水族館の建設が進められています」
2年後にはレフトスタンド横に地上3階、地下1階の水族館がオープン。関東最大級の大水槽などが造られ、水族館と球場が一体化したつくりになるといいます。
よみうりランドボールパーク事業部・宇野光善部長:「水族館から野球の試合を観れるような構造になっている。2027年以降はさらに賑わいが増すと思っています。新しい街づくりというのをこのジャイアンツタウンを起点にできればと思います」
ファイターズと同じパリーグの球団では、どのような取り組みがされているのでしょうか。11日から3連戦が行われるオリックス・バファローズは、2017年に兵庫県神戸市から大阪市此花区に拠点を移しました。1軍の本拠地から車で約15分の距離で、最新鋭のトレーニング施設になってからは、選手の育成とけがの予防などで効果が現れているといいます。2軍の試合で調整した後、すぐに1軍の試合に出場することが出来るようになったということです。
MAZDA ZoomーZoomスタジアム広島の設計を担当した日本女子体育大学の上林教授に聞きますと、トレーニングに集中できる環境のほかに、地域の人と一緒になって何かできる場所を造ることがポイントになると話していました。また、鎌ケ谷で行ってきた地域の人に楽しんでもらう視点を持つことが大切とも。2軍施設と周辺の建物とのつながりを考えて造られる可能性もあるということで、期待が膨らみますね。