参院選、投開票日まであと5日、電気料金高騰に揺れる北海道 エネルギー政策、政治に求められるものは
2025年 7月15日 17:45 掲載
参議院選挙の投開票日まであと5日、争点の一つがエネルギー問題です。電気料金の値上げなどの課題について、いま政治に求められることは。
街の人)
「(電気代)高いですよね。どうにもならないですけど」
「(夏で)エアコンをずっとつけたりしているので、在宅で仕事しているので、どうしても家の電気代が上がって、きついです」
道民が抱える電気料金高騰への不満。道内の電気料金は全国の大手10電力会社の中で最も高く、一般的な家庭の5月検針分の電気料金で比較すると、最も安い関西電力より35%ほど高い状況です。
北電は先月の株主総会で電気料金の引き下げについてこのように話しました。
北海道電力・上野昌裕副社長)
「泊発電所の再稼働は当社の収支、財務状況の改善に寄与するため再稼働後には再稼働メリットを生かし電気料金を値下げする」
2012年から停止している北電の泊原発。再稼働のためには国の新規制基準に適合させる必要があります。
そのために進められているのが、防潮堤の建設工事。高さは海抜19メートル、幅は17メートルから30メートルで、長さはおよそ1.2キロに渡ります。
北電の担当者)
「安全第一で出来るだけ工事が早く完了するよう、しっかりと進めていきたいと思います」
国の原子力規制委員会は4月、再稼働に向けて事実上の「ゴーサイン」を出していて、北電は防潮堤が完成する再来年の早いうちに泊3号機を再稼働させたい考えです。
道内では次世代半導体の製造を目指すラピダスの工場が稼働を開始したほか、AI時代を見越したデータセンターの誘致が進むなど、電気需要はさらに増える見通しです。
期待されるのが北海道が全国トップクラスのポテンシャルを有する「再生可能エネルギー」。しかし、開発をめぐっては様々な問題が起きています。
釧路自然保護協会 神田房行会長)
「もう湿原らしさはなくなりますね。ソーラーパネルの海みたいになってしまって」
釧路湿原周辺では太陽光発電施設の建設が相次ぎ、希少生物の生息や雄大な自然風景が脅かされる事態となっています。
また、国が電気料金に上乗せしている再エネ賦課金が4月の使用分から引き上げられ、標準的な家庭では月に1592円と前年度より196円負担が増えています。
エネルギー問題に対する有権者の関心の高まりについてHTB選挙解説の佐々田博教北大教授は。
北大・佐々田博教教授)
「物価高に加えて、電気代が高騰していることに対する不安とか不満の高まりを反映してるっていう風に思います」