新聞配達員襲われ死亡の福島町でクマ出没続く 少なくとも2頭以上か 専門家「ゴミへの執着」 住民不安の声
2025年 7月15日 16:05 掲載
新聞配達員がクマに襲われ死亡した道南の福島町。少なくとも2頭以上のクマが出没しているとみられ、14日の夜から15日あさにかけても物置が壊されて中のゴミが荒らされる新たな被害が出ました。
前田愛奈記者)
「また同じ場所でクマの痕跡が発見されました。あちらのゴミ置き場を荒らしたとみられています。ドアが壊されていて中のゴミが散乱しています」
大型と小型のクマ、少なくとも2頭以上が出没しているとみられる道南の福島町でまた新たな被害が。
14日午後11時半ごろ、福島町三岳でホームセンターのゴミ置き場が荒らされているのを、パトロール中の警察官が見つけました。この場所では14日あさにもスーパーの物置が破壊され、中にあった生ごみが荒らされています。
コープさっぽろふくしま店 店長)
「ダンボールとかプラスチックとかしか入ってないゴミ箱だったのですが、非常に恐怖しかないですよね。今後もクマが出る恐れがありますので、(ゴミを)店内のどこかで保管するのか、何らかの対策を早急に取らないと今後も被害あると思いますので、引き続き検討してまいります」
また、このスーパーの裏にある町道では午前4時ごろ、体長およそ1.5メートルのクマが目撃されました。生ゴミが荒らされた物置に14日に調査に入ったクマの専門家は。
道総研エネルギー環境地質研究所 釣賀一二三主査)
「(店の付近では)小型の足跡が1つ発見されている。少なくともその個体はゴミに執着している可能性は高いと思います」
専門家が指摘する「ゴミへの執着」。町内では9日にもゴミが荒らされる被害が出ていました。
前田愛奈記者)
「クマはゴミステーションを投げ倒し、中の生ゴミを持ち去りました」
近くに住む人)
「あっ、やられたと思って台所の生ものが1つか2つくらい入っていた」
こうした事態を受けて、クマにゴミを荒らされないよう対策を講じた店も。
前田愛奈記者)
「こちらのコンビニエンスストアでは、ゴミを最小限にするためゴミ箱の使用をできないようにしました」
町内のコンビニではこれまで外にごみを出していましたが、ごみの置き場所を鍵の付いた部屋の中に変更しました。役場では収集日の前日からごみを出さないよう、放送などで町民に呼びかけているということです。
福島町民)
「絶対あさ(に出す)うちの裏、草やぶになっているからどこからクマが出てくるかわからないから」
町内では住宅にクマの足跡が見つかるなど不安が広がっています。夕方に行っていた犬の散歩をやめたという住民も。
福島町民)
「心配だね。最近はクマがいるから(夜は犬を)中に入れている」
新聞配達員が襲われて4日目。町は14日、新たに2か所に箱罠を設置していますが、クマはいまだに捕獲されていません。