男性襲ったクマとは別か 道南・福島町ヒグマ1頭駆除 体長2m8cm 体重218kgのオス
2025年 7月18日 16:39 掲載
街灯の明かりに照らされた2車線の道路をゆっくりと横断する1頭のクマ。18日午前2時ごろ福島町月崎で撮影された映像です。このおよそ1時間半後…
■動画撮影者:「積んでる積んでる、引っ張ってる引っ張ってる」
大人5人ほどでトラックの荷台に積んでいるのは、駆除されたばかりのクマです。午前2時ごろ、クマを目撃した住民からの110番通報をうけ、現場にハンターと警察が駆け付けました。午前3時半すぎ、住宅そばの茂みの中にいるクマをハンターが猟銃で仕留めたということです。
■高橋純暉記者:
「新聞配達員の男性がクマに襲われた現場から、およそ1km離れた月崎地区の住宅地のやぶで、駆除が行われました。地面を見てみると、クマのものと見られる血の跡があります」
福島町によりますと駆除されたクマは大きさ2m8cm。重さは218kgで推定8歳から9歳のオスでした。
■前田愛奈記者:
「福島町のゴミ処理施設にある建物で捕獲されたクマは、処理されたと見られます」
クマは解体され、歯や大腿骨は道総研が札幌に持ち帰り、これまでに町内で目撃があったクマと同じかどうか、DNA型を分析します。今回クマが駆除された月崎地区では、物置のごみが荒らされるなどクマによる被害が9日から相次いでいました。そして、となりの三岳地区では今月12日に、新聞配達中の男性がクマに襲われ死亡しました。18日、駆除されたクマについて町長はこう話しました。
■福島町・鳴海清春町長
「(捕獲されたのは)月崎に頻繁に出ているクマでないかと推測している」
(記者)12日に襲撃したとは別との見立てか?
「はい。」
(記者)ハンターが言っている?
「(ハンターは)直接外形を見ていますので、そうだろうということですね」
福島町の住宅街には2頭以上のクマが出没しているとみられていましたが、きょう駆除されたクマは、新聞配達員の男性を襲った個体とは別だというのです。
■福島町民:
「駆除されたクマが被害者男性を襲ったクマなら安心なんですけど、そうじゃなければ心配」
「安心してるけど、もう1頭いるから怖いな」
■福島町議会:
「起立全員であり、議案第19号は可決いたしました」
18日の町議会。クマが隠れることができるやぶの草刈りなどクマ対策にかかる2848万円を盛り込んだ補正予算案が可決されました。また、クマが人里に降りてこないようにするため、およそ1.5kmにわたり山裾に電気柵を設置する予定です。クマによる死亡事故が起きてから7日目。1頭は駆除されましたが、人を襲ったクマはまだ生きている可能性があります。依然、福島町内にはヒグマ警報が出されていて、町は夜間の外出を控えるよう呼びかけています。
■スタジオ:
■大野アナウンサー:クマによる被害や目撃が相次いでいる福島町。今日未明、1頭が駆除されました。
■依田アナウンサー:あらためて町の中心部の地図を見てみましょう。福島町では町の中心部を大きく分けて、北側の三岳地区と南側の月崎地区、この2つの地区でクマの出没が相次いでいました。今日未明に駆除された場所が、この南の月崎地区の、ちょうど黄色のクマがいるところですね。小学校、中学校がほど近い住宅地で駆除されました。大きさも結構大きいんですね。体長2m8cmで218kgほどの体重があったということなんですね。12日に、新聞配達員の男性が襲われた場所から大体1km離れているんですが、どうやら今日駆除されたクマは、この男性を襲ったクマではないと見られています。