なぜクマは再び人を襲ったのか?福島町事件の真相と再発防止への道「行政あげて取り組む姿勢が大事」
2025年 7月21日 18:37 掲載
北海道の福島町で新聞配達員の男性を死亡させたクマ。18日に駆除されたクマと同じ個体であることが判明しましたが、専門家は今後も行政をあげた対策が必要だと話します。
(駆除されるクマ)
「積んでる、積んでる。引っ張っている」
18日未明、月崎地区の茂みで発見され、ハンターによって駆除された体長2メートルを超えるクマ。
町内アナウンス)
「昨日、捕獲したクマは人を襲ったクマと同一個体と判明しました」。
DNA鑑定の結果、12日に新聞配達員の佐藤研樹さん(52)を襲い死亡させたクマと同じ個体だったことがわかりました。
福島町民)
「一安心ですよね」、「とにかく外出するのが怖くて…。でも亡くなった方もかなり辛い思いをして亡くなったんだろうなと思います」。
今回駆除されたクマ。実は4年前、同じ福島町内で当時77歳の女性を襲い死亡させたクマと同じ個体であることも判明しました。当時の状況について道は、女性が襲撃された後、目撃情報が途絶えたことから出没場所の推測ができずクマの捕獲ができなかったとしています。
4年の間、人を襲うことがなかったクマが、なぜ今回佐藤さんを襲ったのか。クマの生態に詳しい専門家は。
北海道大学大学院獣医学研究院 下鶴倫人准教授)
「2021年から2025年にかけて、山の食べ物が豊かだったのかもしれませんし、(人を襲う)そういったチャンスを伺っていたけれども彼にとっての良いチャンスが来なかっただけかもしれない。その辺は誰も知る由がない」。
道は今回の駆除を受けてヒグマ警報を解除したものの、引き続き福島町全域にヒグマ注意報を出しています。下鶴准教授は今回のクマ被害は様々な自治体が教訓としなくてはいけない事例だと話します。
北海道大学大学院獣医学研究院 下鶴倫人准教授)
「福島町に限らずこういった山と山に挟まれた地域は沢山あるので。これで終わりということではなく、こういった悲劇を二度と繰り返さないために行政をあげて対策に取り組む姿勢が最も大事なことだと思います」。