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【変わる“地域の足”】清田区で病院へ通う患者向け無料バス運行開始 厚別区では町内会運営バスが苦境

札幌の“地域の足”が変わりつつあります。清田区では病院へ通う患者向けの新たなバスが運行を始めた一方、厚別区では町内会が運行する路線バスが苦境に立たされています。

大原麻潤記者)
「JR厚別駅前にあるバスの停留所です。時刻表の下にある張り紙には『このままだと運行中止になります』と書かれています」

JR厚別駅や新さっぽろ駅を結ぶ「厚別ふれあい循環線」。北海道中央バスが運転手不足を理由に廃止しましたが、今年4月から地元の町内会が主体となって路線を引き継ぎました。その路線がいきなり窮地に立たされています。

田中昭夫会長)
「(札幌市との)約束としてですね収支率50%っていうのが約束ですから、私らとしてはそれはクリアして考えて取り組んでいきたい」

今年度は実証実験として札幌市から補助金を受けて運行しているこの路線バス。来年度以降も継続するためには採算ラインとなる1日平均200人の利用が必要です。しかし、引き継いだ際に運行本数を減らして運賃を値上げしたことなどが響き、利用者は1日およそ170人にとどまっています。
住民からは路線の維持を求める声があがります。

バス利用者)
「(バスは)すごく便利。これじゃなくてタクシー利用するようになったら全然(値段が)違うでしょ」
「歩きでも来れるんですけど、暑いのでバスがあった方が良いなと。なくなったらやっぱりちょっと残念ですね」

町内会は今後、地域のスーパーや病院などから広告や協賛金を募るなどして路線継続に取り組みたいとしています。

田中昭夫会長)
「本当に感謝する人は感謝してもらってありがとうございますって言ってれる人はいるんですよね。とにかく地道にみなさんに乗っていただけるような取り組みをしていく」

一方、地域の足として新たにバスを走らせる動きも。
清田区では、病院や商業施設などを結ぶ予約制無料バスの運行が始まりました。区内にある10の病院が患者向けに共同で運行しています。

プロジェクト発案者 美しが丘病院 高橋明理事長)
「区内を回るバスがないので1つの病院にかかるのに1日かかる患者さんが結構いらっしゃって、非常に不便だろうということで、病院間を無料で回ることができるバスができれば、患者さんたちは便利に使えるんじゃないかなと」

去年から始まったこの無料バス。病院間のみの移動に限られていましたが、利用者が少なかったことなどから、今回新たに病院以外の停留所を20カ所増設。通院と合わせて区役所や商業施設、飲食店などにも行けるようになりました。
病院を利用する患者であれば誰でも利用でき、スマートフォンや病院の受付で予約することができます。

病院利用者)
「無料ならなお良いでしょ。私みたいに年寄りになるとなお良いです」

この無料バスは来年1月までの実証実験で平日のみ運行。事業費およそ2600万円の6割ほどを国からの補助金で賄い、残りは病院側が負担します。

プロジェクト発案者 美しが丘病院 高橋明理事長)
「この地域の方でやはり病院を利用していただく方が便利、安心して利用していただけるようにというのが1番の思いではあります。病院ついでに買い物ができればとかですね。そういうちょっと生活に寄り添ったものを作っていけて、それをうまく利用していただくことを希望してます」

バス会社に頼らない新たな形。病院側は今後、地域の足を守る存在になりたいと話しています。

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