泊原発3号機が安全審査に合格、再稼働へ「大きな節目」地元からは賛否の声、北電は2027年早期再稼働目指す
2025年 7月31日 11:24 掲載
原子力規制委員会は、再稼働を目指す北海道電力泊原発3号機の安全審査について、合格としました。地元からは賛否の声が聞かれました。
規制委)
「決定して良いと考えます」、「決定して良いと考えます」、「私も決定して良いと考えます。それではその通り決定いたします」。
原子力規制委員会は30日、北海道電力泊原発3号機について、再稼働の前提となる安全対策が新規制基準に適合しているとする審査書案などについて了承しました。
後志の泊村にある泊発電所3号機は2012年5月に定期検査のため停止して以降、運転が止まっています。2013年に3号機の再稼働に向けた審査が始まりましたが、敷地内の断層が活断層かどうかなどを巡って審査は全国の原発の中で、最も長い12年に及びました。
鈴木麻友記者)
「泊原発3号機が新たな規制基準に合格し、次は地元同意の段階へと進みます」。
北電が原発を再稼働するには地元の自治体の同意が必要です。泊村の住人からは期待と懸念の声があがりました。
泊原発近くで民宿を経営している澁田眞澄さん)
「僕らは北電がいないと、商売が成り立っていかない。安全にやってもらえれば、いい村になると思う」。
泊原発近くの農家 滝本一訓さん)
「(原発と)何だかんだ言って一緒に暮らしていかなければならない。地域住民の声を聞くという北電の姿勢が欠けているので、そこら辺はちゃんとしてもらいたい」。
泊村は再稼働の判断について、今後、国からの理解要請があってから、村議会の議論などの意見を聞いたうえで、しかるべき時期に判断したいとしています。
一方、北電は30日、齋藤晋社長が鈴木知事と面会し、安全審査の合格を報告する予定でしたが、津波の影響で延期しました。齋藤社長は「再稼働に向けた大きな節目であると受け止めています」などとコメントしています。
北電は津波対策として泊原発の海側を囲むようにおよそ1.2キロの新たな防潮堤の設置工事を現在も行っています。安全審査に合格した泊原発3号機について、2027年のできるだけ早い時期の再稼働を目指すとしています。