カムチャツカ半島付近の巨大地震、津波の影響が北海道を襲う 避難、交通機関の乱れ、物流への影響続く
2025年 7月31日 16:13 掲載
30日に発生したカムチャツカ半島付近を震源とする巨大地震。ロシアの専門機関によりますと、千島列島とカムチャツカ半島で5mから6mの津波が確認されたということです。

地震の影響は道内にも…
中川宙大記者)
「避難場所となっている高台にきています。十勝港は31日の未明、70センチの津波が観測されました」。
各地で津波が観測され、根室市では30日夕方、波が岸壁を乗り越える様子も見られました。津波警報が発表された道内では最大で3万5000人以上避難したということです。
北海道 鈴木直道知事)
「潮の流れが速い状態が続いているので、注意報が解除されるまで、海に入ったり、海岸に近づいたりしないようお願いをいたします」。
津波警報は注意報に切り替わりましたが、その影響は31日も続いています。
坂元優太カメラマン)
「津波警報などの影響で入港できなかったフェリー『さんふらわあ』が約1日ぶりに入港してきました」。
苫小牧市のフェリーターミナル。30日に入港できず沖に避難していた4隻が到着しました。苫小牧海保によりますと、体調不良者を出さないため津波注意報が出ているものの、緊急で入港を認めたということです。
乗客)
「30時間ぐらい(乗船していた)。31日8時くらいですか、船内放送で聞いて、あ、帰れるんだなと」。
乗客)
「赤ちゃんと一緒で先が見通せないのが不安でした。赤ちゃん用品のおむつとかそういうのが残り少なくなってこの後どうしようとかは思ってましたけど31日朝早くに出られてよかったです」。
乗客)
「急に津波が来て船長さんがこちらとしてもわからない状況なのでと言っていて不安だったんですけど、(配られた)カレーを食べてホッとしました」。
ただ、商船三井さんふらわあが運航する苫小牧発のフェリーは31日も欠航となりました。
30日に欠航で乗船できなかった人)
(Q:30日は1晩どうした?)
「車中泊です。自然には勝てないからね」
朝函館市では…
坂詰怜記者)
「ごみの回収がされなかった地区ではここにも、そして奥にもごみが残されたままになっています」。
残されていたのは津波警報の影響で回収できなかった資源ごみ。函館市は31日夕方から収集作業を行うとしています。
道内最大となる80センチの津波を観測した根室市では、延期となっていた北方領土の元島民による洋上慰霊が中止に。慰霊式のみの実施となりました。
また水産会社では…
高橋海斗記者)
「根室の特産品の花咲ガニです。こちらの店では全国に発送していますが、津波の影響で30日は道内含めて全国に発送できなかったということです」。
こちらの水産会社ではおよそ20件の発送が延期またはキャンセルに。31日、道内への商品の発送は再開できましたが、全国発送はできていないといいます。
マルナカイチ 杉山水産 島孝治代表)
「宅配便が30日は一日全停止、31日においてもフェリーが止まっているものですから、3日、4日影響が長引きそうな情報が入っていますね」。
気象庁によりますと、現在出ている津波注意報の解除については「31日夕方頃に判断する」としています。