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相棒セレクション 相棒15 #2【再】 【ゲスト:音尾琢真】

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親のサポートが終わる状況に備え 目と耳の両方に障害 …旭川「盲ろう」の夫婦 施設訪問で気づいたことは

(にんじんを切る様子)献立は、豚汁とマカロニサラダ。

(じゃがいもの皮をむく様子)
■記者:
Q皮が残っているところを触って確認しているのですか?
■澤田朋子さん:
「はい」
(手で皮が残っていないか確認しながらじゃがいもの皮をむく様子)
旭川市で暮らす澤田朋子さんは全盲難聴です。
補聴器をつけている状態であれば会話は出来ますが、目は見えません。
料理をするときは、指先から伝わる感覚が頼りです。

■義理の母親:

「ともちゃん、これ袋に(ゆで時間)4分って書いてある」
■時計の音声:
「午後、5時26分」
■澤田朋子さん:「26分。(4分後は)30分か」
「(計量カップを触りながら)あ、まだ(マカロニ)残ってた」
(鍋にマカロニを入れにいく)朋子さんは夫の両親との4人暮らし。
危険なときや、文字を読むことなど、必要なときだけ手を借ります。
(マカロニのゆで加減を味見して確かめる朋子さん)

■澤田朋子さん:
「うーん、いいかな」
■優さんの母親(優さんの手のひらに文字を書いて伝える様子):
「マカロニ、茹でてる」
仕事を終えて帰宅した、夫の優(まさる)さん。朋子さんを手伝います。
(きゅうりを擦る優さん)朋子さんは、愛媛県出身。
優さんとの結婚を機に旭川に移り住み、まもなく3年を迎えます。
(優さんにマカロニサラダを味見してもらう朋子さん)

■澤田朋子さん:
「これ、マカロニどう?」
■澤田優さん:「いいんじゃない」

優さんは弱視難聴で、目は光をかすかに感じる程度。耳は補聴器を使っても会話を聞き取ることができないため、手の平にひらがなで文字を書いてもらい、コミュニケーションをとります。

■澤田優さん:
「食べるかい?」
(優さんにトントンと叩いて答える朋子さん)
■澤田優さん:
「いただきます」
■澤田朋子さん:
「いただきます」
夕食は、夫婦2人きりで過ごします。
(豚汁を食べる優さん)
■澤田優さん:
「うん、おいしい」
(朋子さんの笑い声)
(2人を見守る優さんの母)
料理をはじめ、掃除や洗濯など、家事はほとんど自分たちでこなしています。
■優さんの母親:
「私はね、すごい楽しいんだよ、(2人を)見ていることが。
やっぱり結婚するまでは、男だからって料理を教えてこなかったし、でもなんか、ともちゃんとやるとやる気起こして。やっぱり良かったと思いますよ結婚して」
■優さんの母親:
「ともちゃん、みかんあるよ」
(優さんの手に触手話で「みかん」と伝える朋子さん)
■澤田優さん:
「みかん?どこにあるの?」
(優さんの手を掴んで、ある方向に指して教える朋子さん)
(みかんを取りに行く優さん。2つ持ってくる)
■澤田優さん:
「はい(朋子さんに一つ渡
す)」■澤田朋子さん:
「ありがとう(触手話)」
(食事が終わり片づける2人)いまは高齢の両親の手を借りながら生活していますが、この先、いまのようにサポートを受けられなくなった時、どう暮らしていくのか考え始めています。

■澤田優さん:「家で一緒に過ごしたいとは思っていました」

■澤田朋子さん:
「(自宅でなければ)自分の自由にならないところがあるので、出来るだけ家で過ごせたらいいなとは思うんですけど、どうしてもやむを得ない場合は施設という選択肢もなくはないかなと思います」

***

■音声式点字タイプ教具の音声:
『あ・い・う・え・お』
■澤田優さん:
「こういうふうに出てきます。皆さんちょっとやってみて」

目と耳の両方に障害のある「盲ろう」について知ってもらい、当事者や支援者同士で情報交換ができる交流の場を作ろうと、優さんが立ち上げた「盲ろう者つぼみの会」。
■優さん:
「前に会ったことある?覚えていてくれてありがとうございます(手話)」
今回初めて「つぼみの会」に参加した天満昇さん。耳が聞こえません。

■天満昇さん:
「医者からは、弱視なのでこのまま進んで近い将来目も見えなくなる、失明すると言われています。今の不安な気持ちから脱皮したいという気持ちで今日ここに見学にきました」

社会との繋がりを持ちながら、自分らしく生きたい。「つぼみの会」はそんな願いを込めて様々な活動をしています。

***

将来の暮らしについて考えるため、「つぼみの会」は、市内の高齢者施設を訪れました。

身体能力や認知機能の低下によって、日常生活に介護が必要な人が暮らしています。現在は妻との2人暮らしだという天満さんは、これまで施設での団体生活に対する不安がありました。

■天満昇さん:
「すごく自分の将来の不安が半分くらいなくなったかな。だからすごく有意義でした。まず明るい。個人を尊重してくれる」

■旭川ねむのきの華・田中信二さん:
「廊下にも基準がありまして2.7メートルあります」
(端から端まで幅を体感で確認し、手すりも触って確認する優さんの様子)介護施設のため、中はバリアフリー。
安心して過ごすことができそうです。
その一方で、澤田さん夫婦が感じたことは。

■澤田朋子さん:
「10年20年後は、たぶん聴力も年齢とともに落ちてくると思うので、対応してくれるスタッフさんがいればいいんですけど、いないときに孤独というか不安を感じるだろうなと思います」これまで、この施設では盲ろう者の受け入れは前例がありません。

■旭川ねむのきの華・折戸翔施設長:
「介護施設でも人材不足というのが大きな課題となっておりますので、盲ろうの方にかける時間ですね、そういったものを確保できるかというところだったり、手話だったり点字だったり、そういった部分の職員の研修、技術・能力の向上をどうするかというのは課題があるかなと思います」

いつか来るであろう状況への備え。
澤田さん夫婦にとって、将来の暮らしを具体的に考えていくための一歩となりました。

■澤田優さん:
「人とのコミュニケーションが一番大事なので、スタッフや利用者とのコミュニケーションができたら、生活環境も何とかできるかと思います」

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