記録的猛暑がコメに影響?本州ではコメの生育不良に懸念 道産米の生育と価格の行方は…
2025年 8月 5日 15:55 掲載
猛暑が続く日本列島、本州では水不足などでコメの生育不良が心配されています。道内のコメは大丈夫なのでしょうか、そして今後コメの価格はどうなるのでしょうか?
札幌・豊平区のスーパー。5日は道産米のななつぼしが5キロ3600円台で販売されていました。
キテネ食品館 中塚誠社長)
「しばらくコメ価格の売り値は変わっていない状況で、いまのところ高値安定」
農水省は4日、店頭で販売されるコメの平均価格を発表。前の週よりも40円高い5キロ3625円と、10週間ぶりに値上がりに転じました。
客)
「高い。値段が下がってくれることを期待している。元の値段、5kg3000円とかじゃなくて、1500円とか1700円で買えた時代に戻ってくれたら」
「大変ですよね。新米もまた高くなりそうで心配しています」
キテネ食品館 中塚誠社長)
「猛暑日が本州でかなり続いていますし、北海道も例年にない暑さ。コメの出来に関して、不安に感じるところはある。価格も上がってくる不安要素が大きい」
新米の季節が近づく中、全国的に記録的な猛暑となり、東北や新潟などは深刻な水不足に。コメの生育への影響が懸念されています。
道内も例年を上回る暑さとなっていますが、道産米は大丈夫なのでしょうか。空知の由仁町のコメ農家を訪ねてみると。
由仁町のコメ農家 藤田佳丈さん)
「高温の影響で、実の先が白く、不稔と言うが、中に実が入っていないのがチラホラ今年は見られる」
4代続くコメ農家の藤田佳丈さん。由仁町の隣町、長沼町では先月、最高気温の平均が平年よりも5.5℃高い29.6℃と、観測史上1位となりました。藤田さんはこの記録的な暑さで水田の水の温度が上がってしまうと話します。
水温の上昇はコメの品質に悪影響を及ぼすため、暑い日には朝から夕方まで水を出しっ放しにする異例の対応をとっています。
由仁町のコメ農家 藤田佳丈さん)
「これから実が硬くなってくる時期に入ってくるんですけど、その時期に30℃近くなったり、超えてくる日が続くと、コメ粒自体が白くなって中に気泡が入って、そういうのが増えてくると品質が下がって、製品率が下がる」
コメの流通に詳しい専門家は、道産米の品質に問題がなかったとしても、本州のコメが不作に陥れば道産の新米価格に影響が出ると話します。
コメの流通に詳しい 酪農学園大学 相原晴伴教授)
「(全国的に)ここまで暑いと収量も落ちて、品質も落ちる可能性もあるので。備蓄米を出してしまったし、ちゃんとした粒のコメの流通が少ない分だけ、価格が上がる方向に進む可能性がある」