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相棒セレクション 相棒15 #3【再】

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「人生初の塩ラーメンがバスラーメン!」半世紀近く人気の味で走り続けた80歳夫婦が新たなチャレンジ

今ではすっかり見かけなくなったチャルメラを響かせ走るラーメンの移動販売車。函館では今も現役で街を走り続けています。半世紀にわたって人気の味を守ってきた80歳夫婦の新たなチャレンジに同行しました。

《夫婦二人三脚 半世紀守り続けてきた人気の塩ラーメン》
チャルメラの音が住宅地に響きます。函館の街を走り続けて47年、「函館元祖バスラーメン」です。チャルメラの音に引き寄せられて、お客が家から出てきてさっそく注文をします。昔ながらのシンプルな塩ラーメンが看板商品。鶏ガラと豚足、野菜を6時間煮込んだ、透明度の高いスープにもちもちの黄色いちぢれ麺が特徴です。
調理担当は夫の丸山憲雄さん(80)。接客は妻の寿子さん(80)です。半世紀ちかく二人三脚で「変わらぬ味」を提供してきました。

Q仕事もプライベートも一緒だけど、けんかはしない?
■憲雄さん「します。ご飯食べたり、うちにいる時はけんかはしないけれど、商売になったらけんかします」
■寿子さん「私は(注文を)伝票にちゃんと書いて渡すんだけど、(ラーメンの)タレなんか間違うと、わたしのせいにする」
■憲雄さん「だから俺が悪いんだ、いつも」
■寿子さん「いやぁ素直だね、こういう時だけ(笑)」

《苦楽を共に…乗り継いだ相棒は現在5代目》
2人が「バスラーメン」を始めたのは、33歳の時です。初代は厨房だけの車でした。車中で食べられるようにしたいと徐々に「バス」は大きくなり、4代目は22年連れ添いました。老朽化で車検が通らず、引退を決めましたが、バスラーメンの愛称が定着したのはこの4代目のお陰でした。いまの相棒は5代目。ただ車両は新しくなっても二人の身体は替えがききません。憲雄さんは50代半ばから腸閉塞などで入退院を繰り返すようになりました。
■憲雄さん「『また具合悪くなったのか』って救急車の隊員と顔なじみになっちゃった」
■寿子さん「お父さんが1年おきに体壊して入院して、病院代払わなきゃいけない、借りている土地代も払わなきゃいけない。その時はもうほんと辛かった。もうお父さんも早く元気になってもらいたい」

何より2人の原動力となったのが、ラーメンを待ってくれているお客の笑顔です。
■憲雄さん「できたぞー、できたぞー!よかったなぁ!ラーメン好きな人!!」
■子どもたち「ワァーイ!」
■客「優しくて、走っていたらすぐに気づいてくれるんですよね。だから大好きです」
■客「もう大興奮です。飛び出しちゃって、(家の)上から双眼鏡で見てて」
■息子「こうやって見てるの!(双眼鏡を覗く)」

ラーメンを待っているお客さんがいる限り、2人はどこへでも相棒を走らせます。
■憲雄さん「その場所に行くと笑顔でこう挨拶してくれる。それはもうお金に変えられないものがあるでしょ」
■寿子さん「ほんとに私らはお客さんに助けられて47年間歩んできたと思います。1番美味しい味で食べてもらえるのが私らも嬉しくて、移動でやって良かったなって。うん、バスでやってよかったなと思ってね。いつもお父さんに感謝。(しー!)」

《若者のイベントに“懐かしの味”で挑む!》
函館市梁川町で7月から始まった音楽を楽しむビアガーデン「HAKODATE盆DANCEGARDEN」。丸山さん夫婦は初出店を決めました。イベントは若者がターゲットでバスラーメンの客層とは違います。待ってくれている常連もいません。それでも新たな出会いがあるはずだと感じました。
■寿子さん「バスラーメンは初めて?」
■客「そうです。函館のラーメンって感じでおいしい」
■客「塩ラーメン食べるのは初めて。だからこんなに美味しいんだなと思いました」
■寿子さん「いまの子ってラーメン大好きで(みんな)食べてるって思ってたけど、食べたことないって、うれしいわ、、、」
なんと、この女性は初めて食べる塩ラーメンが、バスラーメンとなりました。お客さんの「笑顔」にテンションが上がった寿子さん。「踊りとラーメンは別ですから!!」と踊りだしました。見守る憲雄さんも、踊ってる顔が良い顔だと手をたたきます。夜が更けていくにつれて、締めの一杯としてラーメンは売れていきました。

■客「初めて。函館に住んでいるけど、初めて」
■寿子さん「ほんとに?47年やってんだよ」
■客「お父さんとお母さんの味がする。すっごいやさしくない?やさしい味」
■客「存在だけ知っていました。でも今日初めて食べましたね。めちゃくちゃおいしくてびっくりしました」

午後5時から午後10時まで。売り上げは40杯。期待ほどではありませんでしたが、それでも赤字にはならずに一日を終えました。

■寿子さん「新しい出会いがあった。あとね65年ぶりでちょっとみんなと踊ったの、長生きして良かった」
■憲雄さん「常にチャレンジ精神あるから、それはウェルカム。体が健康のうちはどこにでもいく」
80歳の丸山夫婦。これからも相棒のバスを走らせ、変わらぬ味を届けます。

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