北海道で大量発生のマイマイガの幼虫 意外な動きが… 対策として大切なのは 卵の除去 その方法は…
2025年 8月 6日 16:25 掲載
今年、道内各地で幼虫が大量発生したマイマイガ。
成虫になる夏のこの時期、被害が確認されていますが、一方で意外な動きを見せています。
高橋海斗記者:「ひどいときは蛾で一面埋め尽くされていたということです。
今も下には死骸や毛虫がうじゃうじゃといます。」
根室市の牧場でその姿が確認されたマイマイガ。地面には多くの死骸が散乱しています。
工藤牧場 工藤良広さん:「何百匹の世界ですね。殺虫剤を壁に吹き付けて、張り付いているものを直接退治するような形でやった。」
マイマイガとは「ガ」の一種で、生まれたばかりの幼虫の毛や成虫のりんぷんに触れると皮膚がかぶれることも。
北海道全域でみるとおよそ10年に1度大量発生しています。
この牧場では先月半ば、マイマイガの数がピークに。周辺の木々の葉が食い荒らされる被害が出たということです。
マイマイガ6月の白道内各地で過去に何度も大量発生を繰り返してきたマイマイガ。
記者:「下も蛾の死体で、上も・・・わあわあ来た来た!」「あ、いるいる。表面にくっついていますね」
田中智祐記者:「幾重にも蛾の大群が羽ばたいています。光に吸い寄せられるように蛾の数は増えているようにも見えます。」
今年は空知や留萌、上川や十勝の一部でマイマイガの卵や幼虫が確認されました。
永山友菜記者:「すごいうじゃうじゃ3センチくらいの毛虫が大量に動いて…うわ~また目が合っちゃった」
先月中旬から羽化して飛び始めたマイマイガ。まさに今、ピークと考えられますが・・・。
加藤肇カメラマン:「先ほどから撮影のためにライトをつけていますがマイマイガが寄ってくることはありません。」
十勝の池田町ではマイマイガの姿はほとんどなく、そのかわりに壁には多くの卵が。こうした状況に専門家は。
世界の昆虫館パピヨンシャトー 白木雪乃館長:「今年は(発生する時期は)早いなと感じる。理由ははっきりしないが温暖化の影響や自然界の天敵との生態系のバランスが崩れているとしかいえない。」
すでに収束し今後大量発生する可能性はないというマイマイガ。しかし、そのうえで来年以降の対策としていま必要なのは卵の除去だと強調します。
世界の昆虫館パピヨンシャトー 白木雪乃館長:「屋根と外壁の間の隙間、軒下に生まれることが多い。できるだけそっと(触る)、壊しちゃうとかぶれるものが舞うので手袋マスクをして、ほうきじゃなく ぬれティッシュでそっと包んで捨てる」
■スタジオ:森唯菜アナウンサー:
今年札幌で大量発生したという話は聞きませんでしたが、道内各地で発生が相次いでいます。まず、三笠市では5月中旬から6月にかけて、公共施設の外壁などで大量の幼虫やサナギを確認し、数日かけ薬剤をまいて駆除したということです。そして、当麻町では5月中旬から6月にかけて、キャンプ場で幼虫が大量発生して、消毒のためキャンプ場を閉鎖しました。そして、その下、釧路市では7月後半から成虫が多く飛んでいるという通報が相次ぎ、去年は通報がなかったので、市は初めての事態で驚いていると話しています。そして、池田町でも7月以降、街中で飛び交っている成虫が多く見られたということです。
マイマイガに詳しい「世界の昆虫館パピヨンシャトー」の白木さんは今年の傾向についてこのように話しています。
今年は発生が早かった。温暖化の影響や生態系のバランスが崩れているそうです。
ということで、マイマイガの発生はすでに時期的には収束していて、今からの大量発生はないということです。
札幌では2013年に大量発生していて、およそ10年周期と言われていますので、来年以降を考えると怖いですよね。
多田萌香さん:
7月後半に釧路の空港のところにびっしり止まっているのを見てしまって。本当に先月なんですけど。それがまだこの公園の近くとか山の近くならまだあれですけど、建物とかに大量発生するとなると視覚的にもちょっと嫌だし、かぶれるとなるとまたちょっと心配です。
森唯菜アナウンサー:
マイマイガは来年に向けてすでに卵を産み付けています。白木さんによりますと、卵は木などの樹木よりも建物の外壁に卵を産み付ける傾向があるそうで、色は茶色っぽく直径3、4cmほどです。1つの塊には数百もの卵が入っているということです。札幌市では卵を見つけたら平らな物でこまめに剥がすことをお勧めしています。ペットボトルを使ってヘラ状にすると取りやすいということです。卵の塊には毒がついていますので、決して素手では触らないようにしてください。来年に備えて家の外壁を確認していくことをお勧めします。