【北海道初感染】マダニから感染する「SFTS」 重症化の危険も 症状を医師が解説 身を守る対策は
2025年 8月 8日 18:36 掲載
マダニにかまれて感染するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)。致死率が高く本州で亡くなる人が相次いでいますが、道内でも初めて感染者が確認されました。一体どういう病気なんでしょうか。
本間壮惟記者:「かまれて感染症になると死亡するリスクもあるマダニですが、このようにひざ丈くらいまでの草むらに多く生息するということです」
道内で初めて感染が確認されたSFTS(重症熱性血小板減少症候群)。マダニにかまれることで感染し、6日から2週間程度の潜伏期間を経て、発熱や倦怠感などの初期症状が現れます。重症化することがあり、国立感染症研究所によりますと致死率は27%に上ります。
SFTSに感染した道央に住む60代の男性。先月下旬、マダニに肩をかまれていることに気付き、自ら取り除きました。その後、先月30日に発熱や頭痛、筋肉痛の症状を発症し、今月2日に地元の医療機関を受診。札幌市内の医療機関に転院となり、6日、SFTSの感染が確認されました。
現在も入院中ですが、回復傾向だという男性。札幌市保健所によりますと、男性がマダニにかまれた経緯は分かっていませんが、草刈りなどで日常的に草木に触れる機会があったといいます。
国内では西日本を中心に感染が確認され、去年は11人が死亡しているSFTS。一体どんな病気なのか。この感染症の研究を行う、札幌東徳洲会病院の安尾医師は。
札幌東徳洲会病院・安尾和裕医師:「一般的な風邪症状、熱、頭痛、筋肉痛でだるくて動けないというのが一般的な症状ですが、それに加えて重症化すると血小板が減少し、血が止まりにくくなる。症状も出るし、肝臓の機能が悪くなったり、全身の状態悪くなったりする」
マダニが媒介するSFTSウイルス。有効なワクチンはまだないといいますが、安尾医師は、まずはマダニにかまれないことが大切だと話します。
安尾和裕医師:「やぶに入る時には、明るい色の服を着て、ダニがついたとすぐ分かるような色彩で、袖口と裾はきっちり靴下の中に入れる。首はタオルを巻く。3時間から4時間に1回、虫よけスプレーを塗り直してほしい」
マダニにかまれないための対策グッズは、身近なところで購入することができます。
本間壮惟記者:「こちらのホームセンターでは、夏の虫よけ対策の売り場が設けられています。そして、その一角にはマダニ対策の虫よけスプレーがずらりと並べられています」
客:「怖いですね。何か対策しないといけないと思う」
客:「子どもたちが肌を出したり、草むらとかにも行くので心配。マダニと書いてある商品を、気を付けて使ってみようかなと思う」
マダニがかむのは、人だけではありません。ネコやイヌなどのペットがマダニにかまれ、SFTSに感染することも。そのペットの唾液や血液などから人がSFTSに感染する例が報告されています。
道内で初めて確認されたSFTS。札幌市保健所は、マダニにかまれて体調に変化があったら、医療機関を受診するよう呼びかけています。