クマが家庭菜園のスイカを食い荒らす被害相次ぐ 北海道江差町 専門家「食べ物を探して出没の可能性高い」
2025年 8月12日 16:02 掲載
道南の江差町。11日深夜、住宅の目の前にある家庭菜園に現れた1頭のクマ。何かを見つけ、口にくわえました。スイカです。クマは少し移動した後、その場でスイカを食べたとみられます。
加藤諒也記者:「被害にあった畑の支柱は折れて、ネットも壊されています。すぐ近くでは食べられたスイカの残骸が落ちています。」
11日午後11時50分ごろ、江差町田沢町の住宅敷地内にある家庭菜園で、スイカを食べているクマを隣の家の住人が見つけ、警察に通報しました。住人が家の中からフライパンを叩いて音を出したところ、クマはその場から逃げたということです。警察などによりますと、目撃されたクマは体長1.5mほどで、スイカ5玉が被害に遭ったということです。
被害にあった住人:「もう本当に恐怖しかないですね。せっかく作ったのにクマに食べられて悲しいですよね。」
加藤諒也記者:「近くにある別の畑でもクマによる被害がありました。被害を確認した住民が刈り取ったトウモロコシが置かれています。」
スイカが食べられた住宅からおよそ150m離れた家庭菜園でもトウモロコシおよそ20本とスイカ5玉が食べられました。被害を受けた住人はさらなる出没に備え、残ったトウモロコシとスイカをすべて刈り取ったということです。
江差町内では先月下旬からクマによる作物の被害が相次いでいます。椴川町地区で3件、南が丘地区と中網町地区でそれぞれ1件、そして田沢町地区で少なくとも5件発生し、いずれもスイカやトウモロコシなどが被害に合っています。
なぜ作物の被害が相次いでいるのでしょうか。専門家は。
下鶴倫人 北海道大学獣医学研究院 准教授:「クマにとっては季節的に食べ物の少ない時期にきているので、一部の個体は食べ物を探して人家周辺に来ているといった可能性が強く考えられます。確率論的に人とクマが出会う確率が高まれば、人的被害が起こる可能性というのも同時に高まってしまうので、それは非常に警戒しなきゃいけない状況。」
町は今回の被害を受けて、田沢町地区に箱罠を1個設置しました。
道は江差町全域にヒグマ注意報を発表し注意を呼びかけています。