スズメバチの駆除に密着 家の意外な所に巣が 例年より早いペースで駆除依頼は去年の倍に その理由は
2025年 8月18日 16:24 掲載
この夏、道内でスズメバチの巣の目撃件数が増えていて、駆除業者に依頼が殺到しています。一体なぜ増えているのか、駆除の現場から見えてきたそのワケとは?
登別市民:「小さいんですけど」
登別市内の住宅。物置の軒下にはテニスボールほどの大きさのものが。スズメバチの巣です。
登別市民:「まさか自分の家に巣なんて作られると思っていないからびっくりした」
駆除業者が白い防護服に身を包み、巣の中に殺虫剤を噴射。1分もかからずに巣を取り除きました。
協業組合室蘭清掃管理センター 笹田文彦さん:「どこまで行けるか。(きょうの依頼は)5、6件持っています。」
登別と室蘭の2つの市から駆除依頼を受けている業者によりますと、今年は6月以降、200件以上の依頼があり、去年の2倍に増えているといいます。家に巣ができ、スズメバチに刺されたという被害も。
ハチに刺された人:「赤くはれたんだよねちょとまだ膨らんでいる。ちくちくする。ズキンズキン。」
スズメバチの巣は家の中の意外なところにもできていました。
協業組合室蘭清掃管理センター 笹田文彦さん:「床下みたいなんですよ。(ハチが)換気口から出入りしているみたい。」
登別市民:「ハチが行ったりきたりしてすごいから。換気口を閉めちゃったんですよ。
試しに。そしたら、どんどんどんどんハチが集まってきて、あっこれ完璧に巣があるなと。」
台所から床下に入れるということで、巣の駆除に向かいます。暗くて狭い空間をはって進んでいくと…
「フジタ フジタ 45リットルの袋持ってきて」「でかいの?」「うん」
換気口のすぐそばに30センチほどのスズメハチの巣が。警戒しているのでしょうか、ハチが取り囲みます。巣を目掛けて入念に殺虫剤を噴射。無事駆除に成功しました。
登別市民:「よかったです。本当に助かりました。」
室蘭市役所には今年市民から200件近くスズメバチの巣に関する問い合わせが相次いでいるといいます。
室蘭市生活環境部 橋場亮介主任:「いつもなら7月ごろから電話が来るが、6月から今年は来ていて、ペース的に早い時期にハチの巣ができているのかなと感じている。」
一体なぜ今年はスズメバチの巣が多く見つかっているのでしょうか?ハチの生態に詳しい専門家は…
道立衛生研究所 伊東拓也 研究職員:「巣を作っている女王の数が多い。去年の秋にたくさん女王ができて、それが越冬していっぱい巣を作り始めた。」
去年、多くの女王バチが生まれた理由ははっきりしていませんが、温暖化でハチの活動期間が長くなっていることも影響しているのではないかと話します。
道立衛生研究所 伊東拓也研究職員:「活動期間が長ければ、巣は大きくなって新しい女王をいっぱい出せるということはいえると思う。これからの時期は働きバチの数が多くなってくるので、刺される危険がどんどん大きくなってきます。」
黒い色を攻撃しやすいというハチ。野外に出る際には黒を避けて、明るめの服を着用すること。そして、ハチの巣を見つけたら早めに駆除を依頼するなど注意が必要です。
依田英将アナウンサー)
床下の結構サイズでした。こんなデータもあります。札幌市と札幌近郊のハチの駆除件数、去年と今年で比べたものなんですね。6月なんと去年の3倍もありました。7月でもおよそ1.3倍でした。やっぱり河野さん、特にスズメバチは刺されると命を落とす危険性もありますからね。
河野真也)
子供たちもね、わからなくて大きい声出したりするのは良くないと言うじゃないですか。うちも去年、一昨年かな、フルーツ狩り行ったんですよ。リンゴを食べてたらここにすごい来るんですよね。甘いからなのかわからないけど。でも子供らに絶対に大きい声出したり、激しく動いちゃだめって言った瞬間にリンゴにハチがついて、僕ぶん投げましたからね。やっぱ人間ってとっさにやっちゃうから。気をつけた方がいいです、本当に。
依田英将アナウンサー)
はい。注意ポイントもまとめました。ハチに刺されないために。まずVTRにもありましたが、黒い色に反応して攻撃しますので、屋外の活動の際は、白い長袖を着用してください。そして河野さんの話に関連します。ハチが近づいてきたら、大きな身振りはせずに静かにその場から離れてください。ハチが興奮するもの、強い匂い、香りです。ハイキングなどに行く際は、匂いの強い香水、整髪料の使用はぜひ控えるようにしてください。そして、もうこれは言わずもがなですが、ハチに刺されたらすぐに、医療機関を受診してください。以前刺されたことがある方は、過敏な反応、いわゆるアナフィラキシーショックが出る可能性もあります。夏休み最後の週末という方も多いですから、くれぐれも外遊びはご注意ください。