北海道厚沢部町の大雨被害、稲冠水1000万円近くの損害か 濁流が収穫直前の水田襲う 引き続き大雨に警戒
2025年 8月20日 16:40 掲載
北海道の厚沢部町、大雨で川が氾濫し、景色が一変しました。
前田愛奈記者)
「稲は完全に水に浸かっています。田んぼだった場所はまるで川のように水が流れ続けています」。
道南を中心に19日から20日にかけて局地的に降った大雨。各地で被害が広がっています。
厚沢部町の農家・船瀬一徳さん。コメの収穫直前に被害に遭い、途方に暮れていました。
農家 船瀬一徳さん)
「田んぼだよ(Q:川じゃなくて?)川じゃなくて、川のながれがかわっちゃったの」。
「これコメだよ」。
「(溢れた川の水が)まっすぐ来て川になっちゃった」。
船瀬さんの水田は厚沢部町中心部から車で15分ほどの場所。すぐ近くに流れる小鶉川が氾濫し、水田に川の水が流れ込みました。
20日午後3時までの48時間に、94ミリの雨が降った厚沢部町鶉。船瀬さんが所有する水田は、半分ほどのおよそ3ヘクタールで稲が水に漬かりました。今年は豊作が見込まれていましたが、倒れて泥がついた稲は収穫できないため、被害額は1000万円近くに上るということです。
農家 船瀬一徳さん)
「これはもう、個人では復旧できる状態ではない。諦めるしかないね、どうしようもない」。
厚沢部町では他の水田や畑でも被害が確認されています。道によりますと、小鶉川にかかる橋に流木がたまったことで、川の水がせき止められ氾濫したとみられています。
香山芽郁記者)
「雨が強く降り出しました。北斗市の住宅街では消防がポンプで水をかき出しています」。
建物への被害も出ています。住宅や物置などの床上浸水は函館市や乙部町で6棟、床下浸水が函館市や北斗市、七飯町で8棟確認されています。
住人)
「玄関のところまで水が入った(Q:どこまで?)この辺まで。消防がポンプでくみとってくれた」。
「集中的に降っていた。まさかこんなことになるとは思ってなかった」。
香山芽郁記者)
「国道5号線を茂里町から函館方向に走っています。突然強い雨が降り出しました」。
こちらは20日午後2時ごろの道北の浜頓別町の国道275号です。国道上に水が溢れ、車が通れない状況です。
道内では、20日よる遅くにかけて大気が不安定な状態が続くため、道北では激しい雷雨となるほか、道南でも再び大雨となる恐れがあります。大雨による土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒してください。