道北に甚大な被害をもたらした大雨 観測史上最大の降水量と冠水で広範囲にわたり牧場や農作物に被害
2025年 8月27日 18:33 掲載
26日よるから27日あさにかけて道北を中心に大雨となり、今も降り続いているところもあります。この雨の影響で、牧場が水に浸るなどの被害が出ています。
井口七海記者
「一面、水に浸っているような状態です。川との境目も見えなくなるぐらい水が溜まっています」。
水浸しの牧草地を数十頭の牛が歩いています。
前線を伴った低気圧が通過中で暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響により道北を中心に記録的な大雨となっています。
26日から27日にかけて降った雨の量は、8月の平年1か月分のおよそ2倍となり、観測史上最大となりました。この雨の影響で豊富町ではサロベツ川が氾濫危険水位に達しました。
豊富町によりますと避難所を3カ所設けあわせて27世帯44人が一夜を明かしたということです。
避難してきた人)
「大変だよね、泊まるっていうことは慣れないし寝れない。うちのこととかあると(心配で)寝れないもんだ」。
井口七海記者)
「住宅街です。この道路のあたりまで水がきたのでしょうか。浸水した跡が見えます」。
豊富町や幌延町では住宅街の道路や牧場で冠水する被害が相次いでいます。
空知の北竜町では、突風によるものとみられる被害も出ています。
高橋純暉記者)
「屋根が外れて落ちてしまっています。またその手前の小屋の残骸でしょうか。バラバラになっています。突風の影響とみられています」。
北竜町恵岱別では納屋1棟が全壊、もう1棟が半壊しました。札幌管区気象台によりますとけが人はいないということです。
被害にあった人)
「11時前ぐらいにゴーっていう風の音がした。その時に被害にあったのではないかと。(夜0時くらいに)社員から連絡があって見に来たらバラバラだった。どうしようもない。中の機械だけどうやって出そうかと」。
札幌管区気象台地域防災推進課 樋川幸夫課長補佐)
「強い積乱雲が通っていると考えられますのでそれにより突風をもたらしたと考えられると、農作物の倒れているのが思ったよりも範囲が広かった」。
線状降水帯が発生するおそれはなくなりましたがこれまでの雨の影響で地盤が緩んでいるほか、河川が増水してるため、土砂災害などに警戒が必要です。
この大雨の影響で、JR北海道は28日も宗谷線の音威子府・稚内間の終日運転見合わせを決めました。
道北の幌延町にある糠南駅と豊富町にある兜沼駅の間で、路盤の流出などが発生したほか、線路の水が引いていないということです。
運休となる区間は28日もバスによる代行輸送が行われます。
また特急宗谷は札幌と旭川の間のみ運転を行う予定です。