【住民不安】北海道新幹線トンネル工事 歩道にまで泥が漏れ出す 「注意を払ってやってもらいたい」
2025年 8月28日 17:45 掲載
札幌市内の地下で進む北海道新幹線のトンネル工事。この影響で地上に泥が漏れ出ていたことがわかりました。一体なぜなのでしょうか。
井口七海記者)
「泥が漏れ出ていたところを囲うように土のうが置かれています。当時は、この歩道にまで流れ出ていたということです」
これは札幌市西区発寒で26日に撮影された写真。
歩道や一般住宅の敷地内に泥があふれ出しています。この真下にある地下で行われているのは、北海道新幹線札樽トンネルの建設工事です。工事主体の鉄道・運輸機構によりますと、深さおよそ29mの地中を掘削していたところ、地上で監視をしていた作業員が泥が漏れ出ているのを発見したということです。
地下深くでの工事による泥の出現に住民は。
近隣住民)
「不安ですよね。工事はしょうがないんでしょうね、やらなければ都市開発はできないから。ただやる分には、注意を払ってやってもらいたいですね」
札幌中心部と小樽の朝里川温泉付近を結ぶ全長およそ26.2キロの札樽トンネル。
札幌市内ではシールドマシーンと呼ばれる機械を使って掘削が行われています。
機構によりますと、「気泡材」と呼ばれる泡状の液体を混ぜることで土を柔らかくして掘削しやすくしていますが、その泥が地表に漏れ出てしまったということです。
実は泥が漏れ出したのは今回だけではありません。
井口七海記者)
「川沿いにあるこちらの道でも、3年前に泥があふれ出ていたということです」
手稲区の西宮の沢地区。この河川敷でも3年前に泥が地表にあふれ出る事態が発生しました。この時も地下では「気泡材」を使ったシールドマシーンによる掘削が行われ、機構は現場の地質の一部が弱かったことが原因としています。
今後、桑園地区まで掘り進める予定の札樽トンネル。
鉄道・運輸機構)
「今回漏れ出した原因究明を進めるとともに再発防止策を検討していきたい」
機構は現在、トンネル工事を中断していて、再開のめどは立っていないということです。