釧路市 メガソーラー建設会社の書類未提出に4カ月気付かず 「整合性が整うよう」報告書の提出求める
2025年 9月 9日 17:56 掲載
釧路湿原周辺で建設が進むメガソーラーをめぐり、事業者が森林法で義務付けられた書類を提出していないことに釧路市が4カ月間気づいていなかったことが新たにわかりました。
■参政党・木村隼人釧路市議:
「報道では伝わっていない、事業者だけではなく、市役所の重大な過失がありました。」
大阪に本社を置く「日本エコロジー」が釧路湿原周辺で建設を進めるメガソーラー施設。事業者側の森林法違反などが発覚する中、8日に行われた釧路市議会の一般質問で、釧路市側の問題が明らかになりました。
■参政党・木村隼人釧路市議:
「この報告書は4月30日になってますけども、実際は8月25日ではないですか。この無報告、虚偽報告というのは、森林法210条でこれもまた森林法違反なんですよ。」
日本エコロジーは去年11月、メガソーラー建設予定地における森林伐採の届け出を釧路市に提出。森林法では伐採を終えてから30日以内に市へ状況報告書を提出するよう義務付けられていますが、伐採を完了した日から30日が経過した4月末を過ぎても報告書は提出されなかったということです。
先月22日、木村市議がこの件を釧路市に指摘。釧路市は先月25日、日本エコロジーに対し「整合性が整うような形で」報告書の提出を求め、その日のうちに提出日を4月30日とする報告書が出されたということです。
■参政党・木村隼人釧路市議:
「虚偽の報告も森林法違反なんですよ。もう1つ違反があったということも北海道に共有して聞き取り、どのような方向性に行くのか。」
■釧路市・早坂正俊産業振興部長:
「この議案に関する疑惑が出て以来、情報を共有する中でご指摘の情報についても共有しているところでございます。指導権限は北海道の方に移行しましたが、私どもはこれまでの事業者とのやり取りなどを含めて、北海道とは連携を図ってまいりたいと考えてございます。」
様々な問題が表面化している釧路湿原周辺のメガソーラー。9日、自民党の議員連盟に所属する国会議員らと環境省の職員らが現地を視察し、日本エコロジーの松井政憲社長から事業についての説明を受けました。
■日本エコロジー・松井政憲社長:
「今後におきましても、希少種、環境との調和というのを弊社としても行っていきますし、その中での指導というのは賜っていきます。ただ事後的に抑圧するとか強い規制をかけるというのは法律に反すると思いますので、そこについてはしっかり確認を取りながら指導、協議を賜りたい。」
希少生物の調査をめぐっては、日本エコロジー側と釧路市側で主張が食い違っています。現地を視察した議連のメンバーで地元選出の鈴木貴子衆議院議員は。
■自民党・鈴木貴子衆議院議員:「事業者・環境保護団体・自治体、それぞれの意見の食い違いや解釈の齟齬を生んでしまった。背景には我々立法府の責任がある。いまこの状況の中で何ができるのか、こういったことを二度と他の土地・地域で起こさないためには、やはり法改正というものが必要不可欠だと思う。」
自民党は来週の政務調査会で、9日の現地視察を踏まえ、今後のメガソーラー建設のルール作りに向けた検討を行う予定です。