クマが住宅の窓を割って侵入した北海道三笠市で箱わな設置 木古内町の中心部にもクマ出没
2025年 9月17日 16:34 掲載
16日にクマが住宅に侵入した三笠市では、現場周辺に箱わなを設置するなど警戒が続いています。
また、道南の木古内町でも住宅街にクマが出没し、町民に不安が広がっています。
■前田愛奈記者「クマが現れたのは木古内駅からおよそ400メートル離れた住宅街です。クマはその後、踏切の方へと走って行ったということです。」
17日午前2時半ごろ、木古内町の住宅街でパトルール中の警察官が道路にいる体長およそ1メートルのクマを発見しました。
現場は木古内町の中心部。警察官がパトカーで追いかけたところ、クマは踏切から線路内に入り、逃げていったということです。
■町民「ついに来たか。不安だね。1回限りではないと思う。」
クマの出没を受け、町内の小・中学校では来週月曜日まで保護者に子どもたちを車で送迎するよう呼びかけています。
町の中心部にクマが出没したことを受けて、鈴をつけて歩く町民の姿も見られました。
■町民「三笠市で家に入ってきたというから生ごみは家の中でも気を付けないとダメだなと。におをなるべく出さないように。そういう感じで自分で気を付けないとね。」
■高橋純暉記者「クマが侵入した現場の家周辺では、三笠市の車が巡回を続けています」
16日、クマが窓ガラスを割り住宅に侵入した三笠市。三笠市は17日、生ごみの収集ルートを変更し、クマが出没した幾春別地区の収集時間を通常より早めました。
■市民「おっかない」「心配だね」
16日午前10時半すぎ、公営住宅の窓ガラスを割って居間に侵入した体長1・2mほどのクマ。
室内を物色することなく、玄関の網戸を破ってドアから外に出て行きました。
この家に住む82歳の女性はクマが侵入した時、洗濯をしていたといいます。
■クマに遭遇した住人(82)「ががっと音がした。ここで洗濯をしていた。その音でおっと思った。あっクマだと思った。そう思ったら入ってきた。」
女性はとっさに近くにあった掃除機を手にとったといいます。
■クマに遭遇した住人(82)「ここに来て止まった、一瞬。かかってもこなかった。ワーともフーとも言わなかった。人間騒いだら、かかってくるかもしれない。」
女性に襲いかかることなく、そのまま外に出て行ったクマ。
その頃、女性の夫は…
■高橋純暉記者「夫は家から15メートルほど離れたこの草地で草刈り作業をしていて、ガラスが割れる音が聞いて家に近づきました。そして妻の、クマだという声を聞いて周囲を見渡すと、奥の道路をクマが通っていくのを見たということです。」
一体なぜクマはこの家に侵入したのでしょうか?クマの生態に詳しい専門家は…
■野生動物被害対策クリニック北海道 石名坂 豪代表「若い個体が大きい窓ガラスに映った自分の姿を仲間と誤認して、軽い攻撃をしようと思ったらガラスだったので割れてしまって、びっくりして入った後に通り抜けたのが可能性がある。あれ変なところに入っちゃったぞ、という感じで、人に対して攻撃する方に頭が回らなかった可能性があるが、不幸中の幸いだったと思う」
住宅を出てから、目撃情報が途絶えたクマ。
三笠市は17日朝、現場周辺に箱わなを設置しました。
また、近くにある三笠市立博物館は17日から当面の間、安全のため野外博物館と分館を臨時休館としています。
■森唯菜アナウンサー
三笠市の住宅に侵入したクマの動きをフリップで改めて見ていきます。クマが住宅に侵入したのは、16日午前10時半過ぎです。女性が居間にある洗濯機の前で洗濯をしていたところ、体長1.2メートルほどのクマが突然窓を割って侵入してきました。女性は、このガラスが割れた音でクマに気づきましたが、騒ぐと良くないと思って、その場にあった掃除機を持って静かに立っていました。クマは部屋の中に入ってきて、女性の前で一瞬止まるも、そのまま通り過ぎて、玄関の網を破って、網戸を破って出ていったということです。キッチンの前にはバケツに入った生ゴミがありましたが、フタが閉まっていたからか、クマは反応しなかったということです。
専門家の話です。一歩間違えれば、パニックになったクマに攻撃を受けた可能性があるということです。今回のように人がいたにも関わらず襲われなかったというのは、不幸中の幸いでした。
藤尾さん、女性にけがが無くて本当に良かったですね。
■藤尾仁志
本当にそうですね。家にも入ってくるということなんですね。それが経験値としてね、我々も知ったので、あとはできることを、何かが起きたら都度都度何か対策をっていう。
■森唯菜アナウンサー
そうですね。専門家も今回の件を受けて、こうも話しています。今年は全道的にクマの餌が少ないと言われているということです。住宅地にクマが出てくるケースは今後も起こり得るので、ゴミなどの対策をしっかりしてほしいということです。