被告に無罪判決 北広島・生活困窮者向けの支援施設での“男女2人放火殺人”の裁判員裁判
2025年 9月17日 17:44 掲載
3年前、北広島市の生活困窮者向けの支援施設に放火し、男女2人を殺害した罪に問われている男の裁判員裁判で札幌地裁は無罪を言い渡しました。
起訴状などによりますと、住所不定・無職の荻野正美被告70歳は、2022年9月、北広島市の生活困窮者向け共同住宅で、自分の部屋や廊下などに灯油をまき火をつけて全焼させ、管理人の男性と居住者の女性を殺害した罪に問われています。
これまでの裁判員裁判で検察側は、「自分の行動をコントロールできる能力は失われていなかった。」として懲役30年を求刑。一方、弁護側は犯行時は心神喪失の状態だったとして、無罪を主張していました。
17日の判決で札幌地裁の井戸俊一裁判長は「異常な幻覚妄想の影響の下、犯行に突き進んでしまった。善悪の識別に従って自分の行動をコントロールできる能力が失われていた疑いが残ると言わざるを得ない。」として荻野被告に無罪を言い渡しました。
今回の判決を受けて、札幌地検は「判決内容を精査し適切に対応したい」とコメントしています。