前札幌市長の上田文雄さん死去 77歳 市政改革に尽力した12年間 現・秋元市長「今もなお大きな指針」
2025年 9月19日 16:37 掲載
札幌市の前市長、上田文雄さんが18日、すい臓がんのため亡くなりました。77歳でした。市役所改革を目指した3期12年の上田市政を振り返ります。
十勝の幕別町出身の上田文雄さん。中央大学法学部を卒業後、札幌を拠点に弁護士として活動し、2003年、札幌市長選に出馬しました。
上田文雄さん(当時54)
「市民の方々が市政に参加できる。意見を述べられる、そういうシステムを構築していくことに全力を尽くしたい」
「アイラブサッポロ!」
目指したのは閉鎖性が問題となっていた市役所の改革。7人もの候補者が乱立し法定得票に届かず再選挙となった大激戦を制しました。
上田文雄さん(当時54)
「行ってきます」
44年ぶりに民間出身の市長となった上田さんがまず手をつけたのが市の赤字問題。「守りの財政」を貫き、2003年度に2兆円あまりあった市の借金を12年の任期中におよそ4800億円圧縮しました。
2009年には家庭ごみ収集を有料化しごみの減量を実現しました。
「開催を宣言いたします。かんぱーい」
また、オータムフェストや札幌国際芸術祭など様々なイベントを立ち上げ、街の活性化につなげました。中でも最も力を入れたのが…
上田文雄さん(当時66)
「まさに機は熟したと判断し札幌市として(五輪)招致を行うべきとの結論に至りましたことをいまここに表明いたします」
2014年、冬季オリンピック・パラリンピックの招致を正式に表明しました。そして翌年…
上田文雄さん(当時66)
「マニフェストでいうと85%ぐらいは達成していますので」
政治活動に区切りをつけて退任し、市のかじ取りを副市長だった秋元克広さんに託しました。
上田さんの訃報に、市民は…
札幌市民(60代)
「すごいびっくりした。市民のためにいろいろとやっていただいたことがあったので、残念でならない」
札幌市民(50代)
「ちょっと早いですね。元気な方だったので残念」
秋元市長のコメント)
「大きな驚きと深い悲しみを禁じえません。その卓越したリーダーシップと市民一人ひとりの暮らしを大事に考える姿勢は私たち市政を担う者にとって、今もなお大きな指針となっております」
退任直前、イチオシ!に出演した上田さん。今後の生活についてこのように語っていました。
上田文雄さん(当時66)
「世の中きな臭くなってきたので、文句を言うところはきっぱりいう、黙っていないぞということはやりたいなと思います」
退任後は再び弁護士として活動する傍ら、去年の衆議院選挙では立憲民主党の道下大樹さんの後援会長をつとめ、3期目の当選を後押ししました。
立憲民主党 道下大樹衆院議員)
「(1月には)お元気にソファーに座りながら短い時間でしたが、お話をさせていただいた。しっかりと護憲のために頑張れと短いあいさつの時間だったが、そうした言葉がいま記憶に残っている。さよならという言葉はかけたくない。これからも見守っていただきたい」
HTBのバラエティー番組に出演しお茶目な一面も見せてくれた上田さん。通夜と葬儀は20日と21日に営まれます。