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【解説付き】屋根はがれ、牛舎に泥水、線路の路盤流出 21日未明・北海道初の線状降水帯発生 突風の被害も

前線を伴った低気圧が接近した影響で、21日未明に釧路と十勝地方では北海道で初となる線状降水帯が発生するなど、道内はこの週末各地で暴風雨となりました。被害の爪痕は今も残っていて交通にも影響がでています。

道内は20日夜から21日朝にかけ、道東と道央を中心に記録的な大雨や暴風となりました。白糠町の24時間降水量は173.5mmと、観測史上最も多くなりました。

■高橋海斗記者:
「雨は止んだのですが大雨の爪痕がだんだんと出てきています。こちらの牧場では現在、牛舎の中に入った泥をかきだす作業に追われています。」

釧路市音別町にあるこちらの牧場では、牛舎が泥水に漬かり、搾乳機が動かなくなってしまいました。

■酪農家:
「搾乳ができないから一番大変。餌もこのままじゃ(あげれない)。餌作ってるところも水浸しで、61歳だけどこんなことなるのは初めて。」

この大雨の影響で、住宅など6軒が床上浸水、21軒が床下浸水しました。また、白糠町と浦幌町では、22日に小中学校4校が臨時休校となっています。新ひだか町や根室市などでは、突風や強風で住宅61棟に屋根がはがれたり窓ガラスが割れる被害が。網走市の総合体育館でも、強風で屋根がはがれる被害が出ました。

22日に合わせて58本が運休となったJR北海道。根室線は池田~釧路間の複数カ所で線路の路盤が流出し、当面の間、運転を見合わせると発表しました。札幌と釧路を結ぶ「特急おおぞら」も運休となります。

■JR北海道・鉄道事業本部・渡辺一也工務部長:
「今見ている状況から行きますと、少なくとも(復旧作業に)来週いっぱいは要する。」

JRは、23日以降釧路~帯広間で代行バスを出すことにしています。


■スタジオ 神田気象予報士解説:
まず、線状降水帯とはですね、顕著な大雨により甚大な災害を発生させるおそれがある雨雲のことなんですね。こちらに図がありますが、湿った空気がまず流れ込んできまして、雨雲が地形の影響などで発達します。発達して、さらに上空の風に流されて、どんどん流れていきますね。その後また発達しては流されてというのを繰り返すので、線状となりまして、同じところに猛烈な雨を降らせることになるんですね。

気象庁では基準がありまして、3時間の降水量が150mm以上ですとか、線状に発達するなどあるんですが、いち早く危険を呼びかけるために「線状降水帯」というキーワードを使って、これ2021年から運用開始されております。

北海道でこの運用が始まってから線状降水帯が発生したのは今回初めてということになります。九州や本州では何回かありました。梅雨の時期などはよく見ると思うんですが。今回北海道の雨雲の動き見て、土曜の夜から動かしていきますと、低気圧が発達しながら通過していった影響で、雨雲がどんどん発達していくんですが、特に太平洋側ですね、黄色とか赤、オレンジという雨雲が急激に現れてきますね。一気に出てきましたね。そして十勝や釧路、線状降水帯がちょうど発生した時間帯なんですけども、雨が猛烈に降ってるのがわかるかと思います。

24時間に降った雨の量なんですが、えりも町の目黒、こちらは200mm以上、そして釧路市音別ですね、二俣では188.5mm。そのほか、広尾町ですとか白糠町、さらに胆振の厚真町でも150mm以上の雨になったんですね。


この雨雲が発達した理由は海水温も原因しているんですね。平年より北海道付近かなり海水温高い状態が続いておりまして。赤ですね。特に太平洋側ですね、3度前後高い状態が続いております。これ猛暑などの影響もあるんですが、雨のもととなります水蒸気がたくさん補給されることになりますので、雨雲がより発達したということになるんです。はい。そして発達した雨雲は、雨だけでなく、突風ももたらすんですね。今回も突風の被害がありましたが、そもそも低気圧が発達しましたので台風並みの風が吹いたところもあるんですが、発達した雨雲も突風をもたらすことがあるんですね。よく皆さん耳にするのは竜巻だと思うんですけども、もう一つ、ダウンバーストというのがあるんですね。これはですね、強い雨とともに冷たい風が一気に吹き下りる現象で、だからダウン、下がるそうなんですね。で、突風となって風をもたらすというのがダウンバーストということになります。というわけで、発達した積乱雲がやってきてるという時は、雨だけでなく突風にも注意が必要なんです。はい。

そして、今週の木曜日なんですが、また低気圧が発達しながら北海道付近に近づいてきそうです。まだ線状降水帯が発生するかどうかはわからないんですけども、今後の情報には注意が必要となってきそうです。ちょっと注意警戒レベルは心の中に持っておいた方がいいです、木曜日は。そうですね。気象庁からもう早めにですね、警戒レベルに達するかもという情報も出ておりますので、十分お気をつけください。

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