羊蹄山水源地訴訟、ニセコ町長が町民への説明不足を陳謝 5億円の和解案は受け入れず
2025年 9月24日 16:01 掲載
北海道の羊蹄山にある水源地を巡り、ニセコ町が元の土地所有者と争っている裁判について、町長は24日の町議会で裁判の経過に関する町民への説明が不十分だったとして陳謝しました。
ニセコ町 片山健也町長)
「住民の皆さんへの周知が足りなかったということについては率直にお詫びを申し上げたいと思います」
24日のニセコ町議会。水源地を巡る裁判について裁判の経過に関する町民への情報共有が不十分だったとして片山町長が陳謝しました。
ニセコ町は2013年、羊蹄地区にある16万平方メートルを超える土地を開発による水源への影響を防ぐため民間企業から取得。その後、この土地を17年前に所有した元の土地所有者が「不正に売買された。売ったつもりはない」などとして土地返還を求め町を訴えてきました。
去年9月、一審の札幌地裁は元の土地所有者の主張を認め、町は敗訴。町は判決を不服として控訴しています。
ニセコ町議会 斉藤うめ子議員)
「今こそ、情報共有の原則に基づき私達町民がまち作りに関する大変重要な情報である水道水源の裁判の経緯を町民の皆様に丁寧に説明し、理解を共有してもらう必要があると思います」
町議会ではこれまでの裁判の経過について、町民に対する説明が不十分だったのではないかとの質問が相次ぎました。これに対し片山町長は。
ニセコ町 片山健也町長)
「今回の裁判記録には、相手方の個人情報が記載され詳細を公開することで個人情報が漏洩し相手に損害を与える可能性や裁判に影響する可能性も踏まえ、代理人弁護士とも相談の上、必要最小限の情報を提供するに至った経緯がございます。情報)公開についても裁判の進行状況を見ながら、弁護士とも相談して逐次対応して参りたい」
今年4月、裁判所は和解を勧告。元の土地所有者は町がおよそ5億円で土地を購入する和解案を示していて、次回の和解協議は来月行われます。
ニセコ町 片山町長)
「(Q:提示されている5億円(の和解案)を受け入れることは?)それはありえない、ありえないということを確認しています。裁判所の方でご検討いただいている判決に向けての取り組みの中で再調査されていることもあると聞いていますのでその結果を受けて次のスケジュールを考えたいと思います」