命がけで守る 高速道路の安全 ネクスコ東日本の道路管理隊の仕事に密着!まさに縁の下の力持ち
2025年 9月28日 15:44 掲載
緊急時には現場にかけつけ
猛スピードで車が走る道路をわたって落下物を拾います。
ネクスコ東日本交通管理隊・鶴間優希隊員「自分たちも生身で100キロの車の真横で作業していますのですごく気が張り詰めてますね」
ヒトとモノを運ぶ大動脈、高速道路の安全を守る交通管理隊に密着です。
道央道と札樽道が交差する札幌ジャンクションすぐそばにあるネクスコ東日本の札幌管理事務所。33人の交通管理隊員が所属しています。

交通管理隊員の朝はラジオ体操から始まります。
高速道路上での作業は激しい動作を伴うことから、朝の準備運動は欠かせません。
早速パトロールに出発です。
札幌管理事務所で勤務する交通管理隊は道央道の札幌南インターから美唄インター、札樽道の札幌ジャンクションから札幌西インターまでのおよそ76.1キロを管轄。
3つのチームに分けて定期的に巡回します。
巡回中、1本の無線が入ってきました。
無線「事故調査願います。上りの江別西インター付近。コーンとぶつかった」
隊員「事故?」
隊員「事故ですかね」
隊員「9時51分、上り江別西インター手前、事故調査こちらでよろしいかどうぞ」
無線「その通りどうぞ」
隊員「了解しました。向かいますどうぞ」
事故の通報を受け、サイレンを鳴らし現場に急行。
その40分後、到着した現場にはパトカーと路肩に止まった乗用車が
交通管理隊が到着したらまず行うのが現場の安全確保です。
止まっている事故車両やパトカーの周りにコーンを置いていきます。
隊員「自走できないんですよね」
警察「できません、ナンバープレートも取れちゃって」

フロント部分が壊れてしまった乗用車。
ナンバープレートも取れてしまい、走行ができません。
隊員「いまレッカー、ナンバープレートも取れてるんで、いま要請中って言ってて」
隊員「レンタカーじゃないんだ」
隊員「レンタカーではないですねお客さんもけがないみたいなので」
隊員「1人乗車?」
隊員「1人乗車です」
レッカーが来るまで、運転手の安全を守るのも交通管理隊の仕事です。
車がすぐそばを時速100キロで走る中赤い旗を掲げて注意を呼びかけます。
作業が終わったらすばやくコーンを回収。
すぐにパトロールに戻ります。
交通管理隊の笠原さんに事故の原因を聞きました。
ネクスコ東日本交通管理隊・笠原駿隊員「最近、自動運転とか、よくついている車が多くなっているので、それで慢心して起こしてしまう事故が今回のパターンかなと思いますお客様がものをとったりしようとしたときに、助手席にいったときに、左にハンドルを切っちゃうことで起きる事故」

北海道の交通管理隊で唯一の女性隊員・鶴間優希さん25歳。
ネクスコ東日本交通管理隊・鶴間優希さん「人のためになる仕事、人を支える仕事にあこがれを持っていまして女性の交通管理隊がまだいないというのを知って、ぜひやってみたいと思いました」
ニセコ町で生まれ育った鶴間さん。小さいころからの願いだった人のためになる仕事に就きたいという夢を叶えるため、交通管理隊員になりました。
鶴間優希さん「これはポケトークになりまして、外国人のお客様と私たちがお話するときに、伝わらないときとかあるので、そうゆうときに翻訳機、けっこう現場でも使ったりしますね冬場だとレンタカーで、冬道に慣れていないお客様が多いので、ガードレールにそのままぶつかってしまったりとか、そういったことも多いです」
隊員歴はまだ1年半ほど。鶴間さんに仕事のやりがいを聞きました。
ネクスコ東日本交通管理隊・鶴間優希さん「高速道路は北海道の物流を支えるものでありますので、自分たちがパトロールして支えているのは誇りに思う仕事だなと思います」
再び交通管理隊のパトロールに密着この日は天気も良く晴れていました。
すると突然、パトロール車両が路肩に止まりました。
高速道路の上に何かが落ちていましたすぐ横を車が走り抜ける中、安全確認をしながら隊員が車から降りてきます。
緊迫の瞬間です。
車道を走る車が途切れる隙を狙って2人の隊員が中央分離帯の方に走ります。
路肩に落ちていた木の板のようなものをすばやく拾いました。
ここは道央道の北郷インター付近の高架区間。
路肩のスペースはほとんどありません。

さらに、交通量も多く、なかなか反対側に戻ることができません。
身体とすれすれのところを猛スピードで車が走り抜ける中央分離帯で待つこと50秒。
ようやく車が途切れ、戻ることができました。
この日はおよそ3時間半の巡回で3回落下物を見つけ回収しました。
道路上の落下物は重大な事故につながります。
実際にどのようなものが道路上に落ちていたのでしょうか。
ネクスコ東日本交通管理隊・笠原駿隊員「これが最初拾った鉄板みたいなやつですかね、最後の方に拾った木の板、中央分離帯に巻き付いていたビニール」「ほかの車が踏んで事故を起こしたりとか、故障パンクしたり、そういったことにつながるので、われわれが定期巡回して回収、緊急でお客さんから情報が入ったりして、回収しにいく感じになります」

ネクスコ東日本管内で1年間に取り扱う落下物処理はおよそ9万5000件。
交通管理隊の仕事の中でも特に多い業務の1つです。
ネクスコ東日本交通管理隊・笠原駿隊員「高架は車が多いので、常に後ろを気にしながらやっちゃうんですけど、まだ怖いイメージがあります自分も家族がいるので、自分が高速道路上でなにもないように、元気に帰れるようには頑張っているんですけど、常に安全面を考慮してやってはいます」
高速道路の安全を守る、交通管理隊。
北海道の大動脈・高速道路の縁の下の力持ちです。