【中継】男性がクマに襲われた札幌市西区の公園に電気柵設置 専門家に聞く「もしもクマに遭遇したら」
2025年 9月29日 16:43 掲載
■森唯菜 アナウンサー:
現場の公園から500mほどの場所の小学校です。今日(29日)から当面の間、保護者に登下校の際の送迎を依頼しています。では、ここから公園まで車を走らせます。ここからは下り坂になっています。山の方向から下っているような状態なんですが、奥にも山が見えます。ここは札幌市西区平和の山沿い、山に囲まれたようなエリアとなっています。今、車は北向きに走っていて、ここから画面左、西へ曲がっていきます。今、赤信号なんですが、車が対向車線たまるほど、結構車の通りは多いんですが、人はそこまで見えません。公園までの道、住宅街が広がっていまして、この辺りも一軒家が広く立ち並んでいるように感じます。小学校から公園までは車でおよそ2分、歩くと7分ほどの場所になっています。ここから、今、人は見えないんですけれども、先ほど取材、2時間ほど前から取材をしていて、犬の散歩をしている方が複数人見られました。散歩している男性にお話を聞きますと、このあたりは犬を飼っている人も多いし、散歩エリアになっているという話をしていました。今回ヒグマが出た公園もいつも散歩コースとして利用しているということです。今、西に曲がっていきましたが、この辺りも今、人は見られません。このまままっすぐ走らせていきます。この奥にもですね、山が見えます。本当にこの山に囲まれているような場所なんだなというふうに感じました。まっすぐ進んでいきますと、奥に木々も見えてきました。あの木々が見えている辺りに公園があります。規制線が張られているんですけれども、こちらが26日に男性がヒグマに襲われた現場です。規制線の先ですね、トイレ見えますでしょうか。正面に見えるトイレの前で男性が襲われたということです。そして、この公園奥の方、ちょっと見づらいかもしれないんですけれども、ポールが立っている場所がありまして、登った先にありますね。こちら先ほど市の職員が作業していたんですけれども、午後2時ごろから草刈りを始めて電気柵の設置を始めています。札幌市によりますと、今日中に電気柵の設置を完了させるということです。
■依田英将アナウンサー:
今の中継見てもわかった通りに、本当に住宅街の中にある公園でクマが出たということになりますね。スタジオで改めて地図で見ていきましょう。先週金曜日の夜でした。午後8時ごろです。西区の平和丘陵公園、犬の散歩中の男性がクマに右腕を引っかかれました。およそ1時間後にも付近で目撃があったということです。そしてここだけではなくて、札幌市内、山に隣接した人里でクマの出没が相次いでいます。例えば手稲区の稲穂だったら、札樽自動車道のアンダーパスの下あたりでも見つかっているんですね。今日未明までに3件。南区の藤野、国道230号からちょっと豊平川沿いに行った場所あたりで4件、そして南区の真駒内でも目撃がありました。西区は全域でヒグマ警報、ヒグマ注意報が中央区、豊平区、清田区、南区、手稲区と、とにかく大野さん、広い範囲でクマに警戒しなければなりませんというサインが出てるわけですね。
■大野恵アナウンサー:
また今回あの男性を襲ったクマがいつ現れるかもわかりませんし、もうここまで来たらどこで本当に出没するかわからないので、自分は大丈夫と思わず、どこで出てもおかしくないんだという認識を持ちながらこう生活しなきゃならないですよね。
■依田英将アナウンサー:
そうですね。ちなみに札幌でヒグマ警報が出るのは今回初めてだということです。事故の翌日、現地で調査を行いました札幌市の担当者はこう話しています。「この時期、クマが食べる山ブドウやコクワが全く見当たらないと。山の中にクマの食べ物がない」ということなんですね。北大の専門家はこう話しています。「おそらく暑さの影響じゃないか。今年はとにかくクマのエサが少ないそうで、今時期、9月末はエサが1年の中で一番少ない時期だ」ということなんです。そして、「クマはエサを求めて人里に出没していて、決して人を襲おうと思ってではない」ということなんです。「もうちょっと気温が下がれば果実、実がなってくるので問題なくなるのではないか」ということです。もちろんクマと会わないのが一番なんですが、遭遇してしまった場合どのような対処を取ればいいのか。知床財団に聞いてみました。距離によって対応が違います。まずクマとの距離100mの場合は、クマの様子を見ながら静かにゆっくりと離れる。クマとの距離がちょっと詰まって20mから50mの場合、障害物の後ろに隠れてくださいということなんです。要するにクマと人間との間にちゃんと一つ物体をかませましょうということです。そして、クマというのは目があまり良くない動物だそうなので、穏やかに声を出してゆっくりと両腕を上げて振る。これは自分が人間ですよと存在を気づかせることが重要だということです。クマよけスプレー持っていればもうこの段階では構える段階だということです。とにかくこちら、落ち着いて静かに走らないことが大事です。クマは時速60kmで走ることができるので、逃げ切ることはできないということです。 河野さん、こうした対処法を札幌の街なかでも知っておくべき段階になっているんですね。
もともと臆病な動物なので、穏やかに声をかけるということですね。では実際に襲われてしまったらなんですが、防御態勢をとることが重要になります。とっさで難しいとは思うんですけれども、まずうつ伏せで顔と腹部をこの写真のように守ってください。首の後ろに手を回して保護をする。リュックが首のプロテクターになって致命傷を防ぐことができると。で、転がされてもこの勢いで元の姿勢に戻ることができるということなんですね。頭、首、顔、腹といった致命傷になる部分をしっかりと守ると重症化のリスクが低い、下げることが期待されています。ただ、とにかくクマに会わないことが重要ですので、ヒグマ警報、注意報が発表されている地域は夜間早朝の不要不急の外出を控えてくださいと市などは呼びかけています。