【中継】札幌市西区 クマ警戒の公園はいま 男性が襲われた詳しい状況も解説
2025年 9月29日 19:15 掲載
■中継:札幌市西区平和
森 唯菜アナウンサー:午後5時すぎから一気に日が落ちてすっかり暗くなっています。安全のためすぐに移動できる車の中から中継をします。現場となったのは札幌市西区平和の山沿いにある公園です。今もこの公園の前には規制線が張られています。26日の午後8時に通報がありましたが、午後6時台でももう暗いですね。公園内、街灯はこのあたりは見る限り、2、3灯ほどしかありません。
公園内には遊具がありますが、かろうじて見えますけれども、この奥にもまだ芝生があって、その奥には山があるものの、今は全く見えません。男性は犬の散歩中、画面右にあります白く映っている建物、こちらトイレなんですが、このトイレの手前の場所でクマに襲われました。札幌市は29日午後5時過ぎに、公園と奥にある山との境目に電気柵の設置を完了していて、30日もパトロールを続けるということです。
■スタジオ解説:被害状況と遭遇時の対策
依田英将アナウンサー:では地図などで確認していきましょう。
【被害の概要】
男性が襲われた公園、西区です。札幌駅から大体10kmぐらい離れている西区の平和丘陵公園です。時間は26日金曜日の午後8時頃でした。夜中や早朝ではなくて午後8時ごろ、犬を散歩していた男性がクマに右腕を引っかかれました。およそ1時間後にも付近で目撃があったということです。
【男性(43)がクマと遭遇した経緯(警察による)】
そしてつい最近、この男性が襲われた時の詳しい様子が分かってきました。およそ5mの距離で先ほど中継にありました白い建物、トイレ、そのそばでクマと睨み合いになったそうです。
・クマが左前足で男性を襲う・男性は倒れた後に足で蹴る
男性は右手、右腕を引っかかれたということなんですね。その後、男性は地面に倒れました。男性はその後に自らの足でクマを蹴ったそうです。そうしたらクマは立ち去ったということで、こういった詳しい情報が出てきました。
■河野真也:これまでにも対策っていうのはいっぱい情報が出ますけど、実際に5mの距離で、あとワンちゃんがいたんですもんね。もしかしたらそのワンちゃんの効果もあってクマを威嚇してくれたのか分かりませんけど、なんかこういう情報が細かく出てくるといいですよね。
【クマの目撃情報と警戒地域】
■依田アナウンサー:
そうですね。そしてこのクマというのは西区だけではありません。手稲区、南区でも出没が相次いでいます。手稲区稲穂:これまで3件
南区藤野:4件南区真駒内:1件
西区全域に札幌市で初めてとなります「ヒグマ警報」が出ていて、中央区、豊平区、清田区、南区、手稲区ではヒグマ注意報も市全域で何らか、何かしらクマに注意警戒しないといけないというレベルになっています。
【クマ遭遇時の対処法(知床財団より)】
依田アナウンサー:もちろんクマと遭遇しないのが一番なんですが、クマと会ってしまったらどう我々は行動すればいいのか、知床財団に聞きました。
クマとの距離と対処法
▼100m:クマの様子を見ながら静かにゆっくりと離れる
▼20m〜50m:
・障害物の後ろに隠れる
・穏やかに声を出す
・ゆっくり両腕を上げて振る(人間だと気づかせる)
・クマよけスプレーを構える
なぜこうするかと言いますと、クマという動物は目が余り良くないので、20mから50mになったら自分の存在を知らせしめるということが1つ有効だということです。
「落ち着いて静かに走らない!」
■河野真也:走られたら絶対に逃げられないってことですよね。だから息を潜めるしかない、ですけど、でも存在を知らせしめることは必要なんですね。
■依田アナウンサー:はい。これは距離に応じてということですね。まあ、基本的に過度に刺激しないということが1つポイントになります。
【クマに襲われた時の防御姿勢】
■依田アナウンサー:では、クマに実際に襲われてしまったらどういう体勢取ればいいのか。相当難しい、反射神経試されると思うんですが、襲われた時の防御姿勢。
・うつ伏せで顔と腹部を守る
・首の後ろに手を回して保護
・リュックが首のプロテクターに
・転がされてもその勢いで元の姿勢に戻る
依田アナウンサー:顔と首と頭、腹部を守ることで致命傷を避ける可能性があるということですので、ぜひこれ覚えておいてください。
最後に、札幌市では警報注意報が出されているところがあります。夜間早朝の不要不急の外出をしないよう札幌市などは呼びかけているということです。