まさに全身が武器!初の国際戦で世界の頂点つかんだ25歳格闘技女王 そのスゴ技を前に空手初段の森アナは…
2025年10月 9日 19:15 掲載
北海道の何でも1番を紹介する『イチバン!』。今回はコーナー史上最強の女性が登場です。今年8月、ある格闘技で世界一になった札幌市の25歳の女性を紹介します。
札幌市東区北14条東10丁目にあるグラブスキックボクシングスタジオです。入り口横には大きく「世界王者指導」と書かれています。
■森唯菜アナ「すごい、ミット打ちの練習中です。音が聞こえますか?ミットが弾ける音!」
■柴田未悠さん「こんにちは。撫子です」
■森アナ「よろしくお願いします。柴田さんは、何のイチバンですか?」
■柴田さん「WBCムエタイ世界女子ミニマム級チャンピオンです」
柴田未悠さん25歳。リングネームは撫子です。ムエタイの世界チャンピオンです。ムエタイは、タイ発祥の格闘技。パンチやキック、ひじ打ちのほか、腕を首に回して膝蹴りするなど、複数の技を織り交ぜて戦います。柴田さんは今年8月、オーストラリアで行われたWBC世界女子ミニマム級のタイトルマッチに挑戦者として出場しました。初めての国際戦にもかかわらずチャンピオンを追い詰め、4ラウンドテクニカルノックアウト勝ち。日本人女子で2人目、北海道出身者では初めての世界チャンピオンが誕生しました。
■柴田さん「結構、ひじ打ちを多くやっているので、ひじが腫れたりとか。真っ赤になりながらやってます。顔も練習中のアザとかで、試合後みたいになっています」
■森アナ「怖くないんですか?」
■柴田さん「そうですね最初は怖かったんですけど、やっぱ怪我とか考えてたらこの競技はできないので、覚悟の上でっていう感じでやってます」
北海道では、柴田さん以外にプロの女子ムエタイ選手はいません。柴田さんが通うジムの代表で、本場タイで修行した佐藤友則さんが、スパーリングの相手です。空手、キックボクシングと続けてきた柴田さんにムエタイの技を教え込みました。
■グラブスキックボクシングスタジオ佐藤友則代表「試合が終わったら、もう2日後ぐらいに(練習に)来るんで、本当に休まないですね。練習が好きだと言ってた。まだ若いんで友達と遊べばいいんですけど、練習に来るんですよ。負けん気が強すぎるんで、練習も休めないし、試合も一歩も引かないんで、教える側も嬉しいですね。試合を見ても気持ち良い試合をしてくれる」
格闘技にここまで打ち込む理由を聞いてみました。
■柴田さん「自分もどうしてかちょっとわからないんですけど、小学校1年生の空手を始める半年前ぐらいに水泳を1回習ったことがあって、でもそれは自分に合わないなと思ってすぐ辞めちゃったんですけど、でも格闘技は楽しいからですね、ずっと続けられる理由というのは」
世界チャンピオン・柴田さんの1日に密着しました。午前5時、柴田さんが自転車で現れたのは東区のよこいベーカリー。毎朝5時から8時までパンの仕込み作業です。柴田さんは、試合のときに長期休みをいただくなど、理解してくれる会社がすごいありがたいと話します。
■よこいベーカリー横井克哉さん「前にもパン屋さんで働いていたというのもあって、知識とかもあったので教えやすくて、しっかりメモを取ってもらったり、すごい真面目な部分もあるので、とても良いですね」
ベーカリーで働いた後は、一度自宅に戻って朝ごはんを食べ、ジムへ向かいます。午前11時から午後1時までみっちり汗を流し、自宅に戻ってお昼ご飯です。ご飯のあとは仮眠を取りますが、その前にお部屋をのぞかせていただきました。部屋には大きなぬいぐるみなどの他に、チャンピオンベルトが。
■森アナ「いいんですか…すごい。ずっしり。…動けない」
■柴田さん「それが世界のベルトです。これを腰に巻きました」「あと私チョコがすごく好きで、ここに塊が常時ずっと置いてあるんですけど、朝起きた瞬間からチョコを食べたいタイプの人です。甘いものが大好き。寝起きにチョコです。甘い物が大好きで、チョコはずっと置いてあります」
柴田さんは、兄が習っていた極真空手を6歳から始め、中学生の頃には全国大会に出場。
高校卒業後に、テレビで那須川天心選手のキックボクシングの試合を見てあこがれを抱き、キックボクシングやムエタイの道を志しました。柴田さんの挑戦を、家族はどう感じているのでしょうか。
■父・雄一さん「自分の目標に向かってずっと頑張ってきたんで、そういった部分では今後の、何か人生って言ったらちょっと大げさですけれども、何かいかせていけるじゃないかなと思いますよね」
■母・友美さん「やっぱり心配ではありますけれども、本人の夢でもあり、空手の時代からそうなんですけど、ずっと努力してるのを見てきてますから、本当もう応援しかないですね」
夕方5時から8時まで、またジムでトレーニング。このうち週2回は、トレーナーとして、指導も行っています。ということで、柴田さんのキックボクシングコースを、空手初段の私も体験してみました!
■森アナ「丁寧に…(腕に)くるなぁ…」
■柴田さん「相手だと思って!いい音鳴ってます。いい感じです」
■森アナ「…ちょっともう限界です。汗も垂れて来ました…疲れてしまった」
■柴田さん「よし、逆いきます!1、2、3、4、5、6、7、8、9、10!」
初心者ということで普段より短い時間にしてもらったミット打ち。それなのにダウン。声も出ません。
■森「これを皆さんいつもやって、柴田さんも同じく。これが強さの秘訣ですね。やっぱり体力も違う」
今後の目標を聞くとオープンフィンガームエタイルールに挑戦し、世界に行きたいと話します。「オープンフィンガー」とは、より薄いグローブで戦うルールのことです。グローブが軽いのでパンチのスピードが増し、ダメージもより大きくなります。
■柴田さん「チャンピオンっていう目で見られるので、普段から練習は真面目にやって、いつでもチャンピオンらしい姿を周りにも見せられたらいいなと思う」
札幌から、さらなる高みへ。柴田さんの挑戦は続きます。