ニセコ地区でまた違法工事発覚 会社代表の中国系男性「工事は建築会社に任せた」 道が工事停止勧告
2025年10月17日 18:42 掲載
新たな違法工事の発覚です。ニセコ町に建設された賃貸住宅が無断で増築されていたことが分かり、道は中国系の事業者に工事停止などを勧告しました。
羊蹄山のふもとで、また違法な工事が発覚しました。
■中川宙大記者:
「住宅が立ち並ぶエリアに立つこの建物。壁の方を見てみますと、工事停止といった張り紙がはられています。」
ニセコ町の中心部から2キロほど離れた場所にある平屋の建物。札幌の会社がこの春に建てた10部屋の賃貸住宅で、床面積をおよそ200平方メートルと道に申請し、4月に工事の完了検査に合格しました。しかし、道が今月改めて調査したところ、無断で増築されていたことが明らかになりました。確かに、建物の出入口付近は茶色い部分が不自然に取り付けられたように見えます。また、この建物は建築基準法などで定められた、公共下水道との接続工事も行われていませんでした。近くの住民は困惑しています。
■近くに住む人:
「現場の方に聞いたら、建物の勾配が足りなくて下水につなげられないと。汲み取りタンクに貯めて2日に1回汲み取りをしないといけないと聞いて。近所からしょっちゅう汲み取りの匂いがすると暮らしていけないので。」
この会社の代表は中国系の男性で、会社側は先月、この建物に関する住民向けの説明会を開催。参加した住民によりますと、建物はスキースクールの講師用の賃貸住宅で、来月から使用したいと話していたそうです。
■元町親交会会長・坪井訓さん
「管理者はどなたになるのかとか、冬場の除排雪はどうなるのかとか、きちんと回答を得られず、決まっていなかったんでしょうね。」
建物の向かいにあるコンテナハウス2棟。これも同じ会社が設置したものですが、道によりますと、着工前に必要な申請書が提出されず、安全確認が不十分なまま無断で建築されていたということです。道は、10日付でこれら3棟の工事停止と使用禁止を札幌の会社に勧告しました。
ニセコエリアでの工事停止勧告は今年2度目。倶知安町巽地区では、無許可での森林伐採や開発行為が発覚し、道が6月に中国系の男性が代表を務める企業などに工事停止を勧告しています。相次ぐ違法行為に鈴木知事は。
■鈴木直道知事:
「違反事例についてはしっかり厳正に対応していく。条例やその他対応が困難な部分は、例えば氏名公表が可能となるような改正を国にも求めている。」
なぜ法律にのっとった工事を行わないのか。今回、勧告を受けた会社の代表はHTBの取材にこのようにコメントしました。
■会社代表の中国系男性:
「今回すべての工事は建築会社に任せたため、建築に関する状況を十分に把握できずご不便をおかけしました。現在、振興局と協議し改善策に全力で対応します。」
道は、今回発覚した無断増築について今後、会社側に対し増築した面積などの報告や是正計画書の提出を求める方針です。