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出没数急増 札幌のクマ 初の緊急銃猟も なぜ今年はクマが多いのか 異常事態への対策は?

札幌市内で相次ぐクマの出没。
人とクマの距離が狭まるなか、地域の安全をどう守るのか。
現場から見えてきた出没の原因と必要な対策は。


2021年、札幌の街中にクマが出没しハンターにより駆除されました。
「今クマが走り出しました。今銃を撃ちました」あれから4年。

クマは息をひそめるどころかさらに出没を繰り返しています。
公園に居座り何かを食べるクマ。

車が行き交うなか、道路をいったりきたりするクマも。
人の生活圏での出没が相次ぐ札幌市内。

北海道猟友会札幌支部ヒグマ防除隊隊長・玉木康雄さん
「異常だと思います」

先月には男性がクマに襲われる人身被害も発生しています。

近隣住民「外を見たら『助けてください』という声が聞こえた気がして」「捕獲してほしい。いろんな意見はあるでしょうけど、実際住んでいてそこでやられたというのは怖くて」

さらに。道内初となる緊急銃猟による駆除も。
異常事態に揺れる札幌。
なぜ出没が相次いでいるのか。今後求められる対策とは。

パーン(銃声)
千葉雄太記者「もう一発発砲されました。2発目となります」

今月24日、札幌市西区の住宅街に鳴り響いた銃声。

西野西公園に子グマ2頭が出没し、道内初となる警察官ではなく市町村の判断で発砲を行う緊急銃猟による駆除が行われました。

その前日、すぐ近くの西野すみれ公園に居座り何かを食べる子グマがいました。
駆除されたクマと同一個体とみられています。
およそ200万人が暮らす大都市札幌。
しかし、札幌の面積の6割は豊かな森林です。
その森林に暮らす多くのクマが人間の領域に迫ってきています。

札幌市に寄せられているクマの出没情報は今月だけで120件を超えています。
これは例年に比べるとおよそ5倍。

記録が残る過去10年間の出没数では最多となっています。
最前線でクマと向き合う札幌のハンターも出没が相次ぐ今の状況は「異常事態」だと話します。

北海道猟友会札幌支部ヒグマ防除隊隊長・玉木康雄さん「こういった業務の最前線にいる私たちでさえここまでの状況は正直いって予想していなかったです。体感的にいえば(去年の)3倍ですね。山の中にいてこそヒグマとしての生態系を守ってくれていると思うが、山の中から人が住む領域に足を踏みこんでしまったら、生態系のバランスを自ら壊してしまっている状況」

公園や住宅街など人々の生活圏での出没が相次ぐ札幌市内。その要因として考えられているのが

北海道猟友会札幌支部ヒグマ防除隊隊長・玉木康雄さん「たくさん増えてしまったクマたちが今年まったく山に木の実がないという状態に遭遇している」

クマの主要な食べ物であるドングリの凶作。

豊作だった去年との落差が今回の事態を招いているといいます。
さらに
北海道猟友会札幌支部ヒグマ防除隊隊長・玉木康雄さん「一気にクマの個体数が増えてしまった。ハンターが減少してきていることもあって猟圧がかからなくなってきた」

クマの数の増加にハンターの駆除が追いつかなくなっていることも影響しているといます。

規制線が張られ立ち入ることができなくなっている西区の平和丘陵公園。

ここでは先月26日、犬の散歩中だった43歳の男性がクマに襲われました。

ヒグマの生態に詳しい研究者の間野勉さんはクマが食べ物を探して行動範囲を広げて活動した結果、今回の被害に至ったといいます。

道総研フェロー・間野勉さん「昨年までのような通常に食べ物が得られる年には、人目につかずあまり人に気づかれずに暮らすことができていた。ただ何年かに一回、こういう食物不足の年が来るとそのときにどうしても食べ物を求めて活動範囲を広げてしまう」

クマの行動範囲はさらに広がっています。

香山芽郁記者「住宅にはクマの足跡が複数くっきり残っています。私の手と比べてみるとおよそ15センチほどの大きさです」

今月8日、札幌市西区の住宅の敷地内に残されていたクマの足跡。
ここからおよそ50メートルの場所では、1メートルほどのクマが道路を横断するのが目撃されています。

■道総研フェロー・間野勉さん
「これですね。市街地に進入した後さらに道路を渡ってさらにこの道路を渡って、北側に市街地が広がっていて、この奥の方まで侵入を試みたんだと思います。ここまで入ってきているということは、そこまでかけて食べ物を探している。それだけクマにとっては深刻な状況なんだなと想像できます」

食べ物を求め森林から市街地に侵入してくるクマ。

必要なのは「クマを侵入させない対策」です。

そのひとつが、侵入の多い部分を電気柵で塞ぐ対応。
また、クマの侵入経路にならないように川沿いのしげみなどの一部を刈り取り見通しを良くすることも有効です。

道総研フェロー・間野勉さん「最大の問題はゴミステーションにあります」

注目したのはゴミステーション。
道南の知内町では連日、クマが住宅街のゴミステーションを荒らす被害が出ています。

道総研フェロー・間野勉さん「人間の出す残飯はクマにとって大ごちそう。林縁の地域のゴミステーションをクマに壊されないような構造にしてゴミを管理する」

さらに、自治体の役割については計画的に駆除を行いクマの個体数をコントロールする必要があると指摘します。

道総研フェロー・間野勉さん「あまりにも人間の生活圏に近いところに多数のクマが定着して暮らしているという状況。これを計画的に一定の範囲からはクマを減らしていくとできるだけ食物が不足したような年にもたくさんのクマが街に侵入してくるような条件をなくしていく。今年中にはできないが計画的に進めていく」

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