雨竜町の“昭和レトロな空間”「豆電球」町の人口6倍訪れる人気店 20年の歴史に幕も温かい灯りは次世代へ
2025年10月29日 17:53 掲載
昭和レトロな商品が並ぶ空知の雨竜町の「豆電球」。町の人口の6倍もの人が訪れる人気店ですが、店を営む夫婦は、今年いっぱいでの引退を決めています。後継者探しを続ける中、進展がありました。
宮口由己江さん)
「少し右上上げて」
たばこポスター貼る2人 宮口正道さんと由己江さん夫婦。20年間、二人三脚でこの店を続けてきました。
宮口正道さん)
「は~」
(Q:張っていたのは?)
「昔のやつなんだけど、(たばこの)自動販売機に張ってたやつ」。
宮口由己江さん)
「たばこのポスター」。
雨竜町の田園地帯にたたずむリサイクルショップ「レトロコミュニティ豆電球」。廃校になった中学校の木造校舎を再利用した店内には、1万点以上の商品が並びます。
中頓別町から)
「このたばこのポスターを狙いに」。
旭川から)
「すんごい昭和のものがいっぱいあって、結構楽しいと思ってる」。
今年の来店客は、のべ1万4000人余り。町の人口の6倍を超えます。この日は一年で一番店が賑わう日でした。
出店者(バカ殿)
「おはようございます。バカ殿です」。
集まったのは、豆電球のファンたちです。感謝祭と題し、ファンがハンドメイドの店やキッチンカーなど35店舗を出店して盛り上げます。
出店者(ピコ太郎)
「楽しいよ~、恥ずかしいけどね。最後、気合入れて。来年どうなるか分からないけど」。
実は、夫婦は年齢を理由に今年を最後に店を辞めると決めていました。開店前、ファンからサプライズが。
「地域の皆様に親しまれるお店を営まれ、ぬくもりと笑顔を届けてくださったこと、心より感謝申し上げます。これからの新たな日々が穏やかで笑顔に満ちたものでありますように、心よりお祈り申し上げます。本当にありがとうございました」。
宮口由己江さん)
「うれしいです。涙が出そう。こらえてます」。
夫婦が20年間守ってきた、「誰でも気軽に集まれる場所」。ここで生まれた出会いの数々が思い起こされます。
この場所を守るため、夫婦は、去年から後継者を探していました。
相談する宮口正道さん)
「私としては雨竜町に住んでもらうか、または近郊でいつでも来られるような人が希望なんです」。
15組ほどの応募の中から7月、現在札幌に住む30代の夫婦に店を引き継ぐことに決めました。
宮口正道さん)
「気持ち的にはホッとしているけれど、それと同時に寂しさも出てきました」。
宮口さん夫婦での豆電球は、残り2カ月。「最後までいつも通り」が目標です。
2人でつないできた小さく温かい灯り。これからは次の世代が店を、町を照らします。



























