「モチも食えない」イカの街・函館、漁業者に落胆 漁獲枠超過で小型イカ釣り漁が停止 増枠示すも休漁継続へ
2025年11月 5日 18:58 掲載
漁獲枠を超え小型イカ釣り漁ができない問題。水産庁では増枠についての話し合いが行われていますが休漁は続く見通しで、漁業者からは溜め息が漏れています。
前田愛奈記者)
「きょうも多くの人でにぎわう函館朝市です。ただ、名物のイカの釣り掘りはきょうも休業でがらんとしてしまっています」
「イカの街、函館」。函館朝市では観光の目玉とも言える「活イカ」が消えて10日以上が経ちました。
神奈川から)
「駄目なんですね、ここも」
愛知から)
「ここならではのものなのですごく楽しみだなって思っていたので残念」
元祖活いか釣堀 小野寺透さん)
「せっかく いらっしゃってもらってるのに 楽しんでもらうことが できないもどかしさがある」
背景にあるのが漁獲枠の超過です。これまで国が今年度、全国の小型イカ釣り漁に割り当てたTAC、漁獲可能量は、4900トンです。しかし、先月24日の時点で1000トンほど超過したことから、水産庁は先月31日、漁の停止を命じました。
5日も多くの船が漁に出られず止まったままとなっている函館漁港。そんな中、船のメンテナンスをする漁師の姿がありました。
漁師)
Q:再開への準備?
「そうですよね。ただ、再開してもらいたいのが願い、それだけ。毎日仕事行ってるのを止められた。漁師なんて海出てなんぼの商売だから」
5日に東京で行われた水産政策審議会。水産庁は先ほど小型イカ釣り漁の漁獲量を5757トンに増やす案を示しました。しかし、すでに増枠分を超える5896トンの漁獲が報告されていることから、依然として禁漁が続くことが決まりました。
漁師)
「俺も今日(審議会を)やるからきょうで決まると思ってた。まず、がっかりだね」、「期待していたのが外れて、なんでもいいから早めに決めて出漁させてくれればいいんだけど。明日から休みですよって腹いっぱいとって休むならいいけど、もう少しで正月くるのに、モチも食えないんじゃないか」
イカが消えた、イカの街。街の代名詞が戻ってくる見通しは立っていません。



























