農業にかけた青春!栗山町で300種類の野菜を育てる高校生3年生に密着!その将来の夢は?
2025年11月22日 13:57 掲載
栗山町に農業に青春をかけて、300種類の野菜を育てる「高校生農家」がいます。
彼の作る野菜にはたくさんのファンがいますその姿に密着しました。
栗山町に住む、中仙道怜(れん)さん。
岩見沢農業高校の3年生。
自宅の敷地内にある畑で、なんと150品目300種類にも及ぶ野菜を、たった一人で作っています。
今の時期は、野菜の収穫のほか、来年に向けた作業も行っています。
「秋の肥料は1年間お世話になったんで、また来年もたくさん取れるようにって願いを込めて、肥料。堆肥系の肥料がメインなんですけど、そういうものをすき込んで、来年のための準備をします。野菜とか品種に応じた肥料をやってます。」
子どものころから、花や野菜など自然のものが大好きだった怜さん。
野菜づくりに興味を持ったのは、自宅の畑で、祖母が育てたトマトでした。
「祖母の作ったトマトが震えるぐらい酸っぱくて、それがきっかけで農業始めたんですよね。」
どうしたら酸っぱいトマトが甘くなるのか?疑問を持った小学校4年の怜さん実家がメロン農家だったので試しに畑の土にメロンの皮を混ぜてみると見事トマトが甘くなりました。
でもまだ酸っぱい。そんな試行錯誤から農業の面白さに目覚めました。
高校生になると冬の間は本州の農家で学ぶようになります。
「冬休みは本州の農家さんとかに弟子入りして、それでそのお手伝いしたりとかして、その農家さんのみかんが僕すごく美味しすぎて。『果物とかどうやって作るんですか。』って言って、教えてもらいに直接交渉して行ったんですよ。そしたら、魚の肥料入れるんだよって教えてもらって。で、そっちもう1軒のイチゴの農家さんも口を揃えて「魚の肥料入れないと味出ないよ」っていう風に教えてくれて。」
先輩農家の技を学び、すぐに自分の畑で実践する怜さん。
作った野菜が売れることにも、やりがいを感じます。
特に自慢のトマトの味は、お客さんの心をつかみました。
「今までだと、1年の中で、おいしいなと思ったのが、1、2回ぐらいしかなかったんですよ。で、美味しさをずっと維持できないかなと思って、上からカツオの凝縮した液肥をかけたんですね。そしたら、ミニトマトの味がずっと美味しいのを保ってたので、すごくお客さんも増えてくれて。『こんなに美味しいトマト食べたことない』って喜んでくれたんですよね。今年のトマトはとってもよかったかなって思ってます。」
怜さんのお母さんは栗山町で週に1度、日曜日だけパン屋を開いています。
そこでは怜さんの野菜の販売も行われます。
前日のうちに収穫していた野菜の土を洗い流し、お店に野菜を、ていねいに並べていきます。
この日販売するのは、大根にカブ・水菜など25種類です。
陳列が終わると再び畑に今度はブロッコリーをかじりながら収穫です。
どうして食べながら収穫するのでしょう?「どんな味するのって聞かれたら言えないじゃないですか、食べないと。その日によって甘みだったり香りとか旨味違うんで。それで今日はこんな味ですよっていうのをお伝えするために食べてます。」
午前8時過ぎ、開店は11時なのに早くも常連のお客さんがやってきました。
(怜)「パクチョイのサラダ美味しいです。普通のチンゲン菜より柔らかくて食べやすいんですよ。」
(客)「やっぱり、丁寧に作ってあります。市場に出ないような品種も怜くんは美味しかったら育ててくれるので」
怜さんの野菜を目当てに、たくさんの人が買いに来ます。
その怜さん、いまは高校生農家として過ごす、最後の季節です。
怜さんは、祖父が持つ3ヘクタールの畑を受け継ぎ、来年の高校卒業後には、農家として独り立ちします。
いま道内の農家では高齢化と後継者不足が深刻化しています。
北海道の農家の平均年齢は59歳。
そんな中18歳で農家になる怜さんには周りも大きな期待を寄せています。
農業の先輩でもある、怜さんの祖母に、孫について聞いてみました。
藤田順子さん「色々教えてもらってます私は今。中学生ぐらいから逆転で教えてもらってます。色々なこともあって、辛いこともあるかもしんないけど、頑張ってやってほしいなと思います。」
中仙道怜さん「1人でやることで、自分のその限界っていうのもちゃんと理解できるっていうか。今はやっぱりキャパオーバーなんですよ。300種類も作ったらなんですけども、それを減らして、どれぐらいだったら自分の中で手におさめられるのかなっていう感じですね。誰が作ったか、どこで誰がその手を触れて触って使って作ってるかっていうのをちゃんと言えるっていうのが大切だと思って。」
客「(ダイコン)10本!」「今ちょっと緊急でダイコンの注文入ったので畑にとりに行きます。」
お客さんからの急な要望にも、できる限り応えます。
たくさんのダイコンとネギを、畑から直送です
栗山町内の牧場に隣接したファームレストラン菅野牧園では、怜さんが作ったレタスを毎週購入しています。
レタスは人気のサラダに仕立てられます。
菅野牧園 調理担当菅野美枝子さん「野菜を育てることが好きでやっているっていうのが凄い伝わってくるので、そういう子が農業をやろうって思ってやっているのが、すごい素敵だなと思って」
レストランのイチオシメニューは、牧場で育てられた肉牛のハンバーグのプレート。
添えられた、怜さんの鮮やかなレタスのサラダが、料理を引き立てます。
農業が大好きな怜さん将来の夢は大きく広がっています。
「今2つの夢があって、1つは地域を活性化させる新しい特産品を作りたいって夢と。
もう1つは日本を代表する農業経営者になりたいっていう2つの夢があるんですけど。美味しいもの食べて幸せになってほしいなって僕は思ってて。それを少しでもサポートできるように頑張りたいなって思ってますね。」
北の大地にしっかりと根を下ろした、怜さんの農家としての夢への挑戦はもう始まっています!



























