“世界一大きな絵” 北海道安平町の高校グラウンドに 地元アーティストの挑戦に学校や企業も協力
2025年11月24日 16:30 掲載
胆振の安平町在住のアーティストが世界一大きな画を描くプロジェクトに挑みました。その大きさ、なんとサッカーコート2面分です。
■本吉智彦記者:「学校のグラウンドでは布を広げる作業が行われています。いったい何が始まるんでしょうか。」
安平町の追分高校のグラウンドで作業をしているのは、町内在住のアーティスト双杉旬太郎(ふたすぎ・しゅんたろう)さん、28歳です。
■双杉旬太郎さん:「絵を描いている布があるんですけど、この布を今引っ張って調整してるっていう感じですね。1枚の大きな絵に見えるように。」
去年、札幌から安平町に拠点を移した双杉さん。今回挑戦するのは「世界一大きな絵」です。ギネス世界記録は、4月にナイジェリアで作られた1万2380平方メートルの作品。双杉さんはそれを800平方メートルほど上回る作品を作り上げました。その大きさはサッカーコート2面分に匹敵します。
■双杉旬太郎さん:「大きい絵を描きたいと思ったっていうのが率直な理由なんですけど。どうせやるなら世界一でしょうと。そういうロマンですね。ロマンでやろうと思いました。」
絵を描くのに使った布は、ベッドシーツ。その数はなんと1500枚にのぼり、ホテルなどで使えなくなった中古品を無償で譲り受けました。
■双杉旬太郎さん:「企業さんにこのプロジェクトのロマンを伝えてですね、共感してくださって、じゃあ提供しますよってことでいただいてるっていうところですね。」
塗料として使うおよそ100lのペンキも双杉さんを応援する企業から提供されました。絵の制作にかかった期間はおよそ1カ月、町内の作業場などで毎日6時間ほどかけて描きました。
■双杉旬太郎さん:「完成しました」
高校の協力を得てグラウンドでお披露目された超大作。その大きさは縦110m、横120mにも及び、牛や馬などの動物たちや大阪にある太陽の塔などが描かれています。
■双杉旬太郎さん:「いろんな経験したので、それを絵日記のような形で子供が書く日記みたいな形で1枚のキャンバスに描いたら面白いんじゃないかなと思って。」
双杉さんが1年半前にこの挑戦を決意したときからの日々の出来事が作品のモチーフです。
■双杉旬太郎さん:「出会ったものとか、奇跡的に本当に巡り会った、それこそ場所でもそうですし、そういった一つ一つの物語を踏まえて、この世界一大きな絵が完成することができたんですね。」
作品を見に来た追分高校の生徒たち。絵の上を歩き回りながら楽しむ新しい鑑賞スタイルも双杉さんが提案したものです。
■生徒:「すごいでかいですね。初めてみる大きさです」
■生徒:「木があって、その下を草木が生い茂っている」
楽しそうに作品をめぐる生徒たち。中には絵に潜り込んでしまう生徒もいました。
■双杉旬太郎さん:「おもろい・・」
無事に完成品のお披露目を終えた双杉さん。生徒たちの前で、ハサミを取り出しました。
■双杉旬太郎さん:「みんなにはこの作品の一部を切り取って、ぜひ持っていってほしい」
■生徒:「おーーー」
双杉さんの呼びかけに、生徒たちは気に入った部分を思い思いに切り取っていきました。
■生徒:「とても気分がよろしいです」
■生徒:「部屋に飾ろうかなと思います。」
■双杉旬太郎さん:「関わってくれた人に対しての感謝と、あとこの作品をこういう風に生まれてきてくれたことに関しての感謝っていうのがすごく今感じてて、なんか不思議な言葉にならない感情ですね。」
町民を巻き込んだ大きなチャレンジ。双杉さんは、今後も新たな挑戦を続けていくということです。



























