札幌・住民説明会大荒れで警察も出動 インターナショナルスクール設立で広がる“根拠なき投稿”
2025年11月26日 19:22 掲載
札幌市南区の廃校になった小学校の跡地で計画されているインターナショナルスクールの建設。建設をめぐり、根拠のない誤解が広がり、いま地域に不安が広がっています。
インターナショナルスクールの建設が予定されているのは、札幌市南区の旧常盤小学校です。
しかし、新たなスクールの計画について9月、運営会社が開いた住民説明会は、大荒れとなりました。
質疑応答の場面でプラカードを掲げる女性。「移民政策、断固反対」と書かれています。トラブルに備え、警察も出動する事態に発展しました。
■地域住民:
「市はどうして日本の財産を外国人に売り渡してしまうのかと、そういう発言があったから、発言を制止してツカツカと前の方に行って、反対しますよという形だったから、かなり乱暴な。」
「文化摩擦の心配だとか、生活上のルールの軋轢があるのかないのか、そういうことがあった場合は、どういう形で克服してきたのか、その日聞きたかったんです。」
最終的に説明会は、運営会社の担当者が体調不良となり、打ち切りに。
■鈴木麻友記者:
「4年ほど前に廃校となった常盤小学校です。校舎は今も残っていて、階段など、ところどころ老朽化が目立つ部分もあります。」
旧常盤小学校の利活用をめぐっては、これまで札幌市が事業者を公募。地域コミュニティの維持向上につながるか、緊急時の避難場所として住民が利用しやすい施設かなどの観点で、町内会などと話し合いを重ねていました。
■地域住民:「このまま空いてても危ないというか。何度か警察が来たこともある。学校のものが盗まれたとかなんとか。物騒だから、早く決まってほしいなという感じはしていたので。」
6月、札幌市の公募を通じ、市との売買契約の優先交渉権者に選ばれたのが、「グローバル・インディアン・エデュケーション」でした。本社はシンガポールにあり、日本では、東京や大阪など6つのインターナショナルスクールを展開しています。
■札幌市地域計画課 勝見元暢・調整担当課長:
「(公募の審査委員会で)グローバル社は、札幌市が目指している多様な外国人の教育環境の整備につながることですとか、多様な人材が集まることで、将来的には、芸術の森地区が文教地区として発展することも期待されるなどの評価を受けております。」
市や運営会社の、住民への説明が十分とは言えない中で、いまSNSで根拠のない投稿も広がっています。
(SNS上の意見)
「インド人専用学校になる」「大量のインド人が入ってくる」
運営会社の担当者は、誤った情報と説明します。
■運営会社の担当者:
「既存の大阪校ですと大体6割くらいが日本国籍でありまして、(札幌)市民の国籍の内訳など拝見しますと、過半数が日本人になるのではないかと予想しています。」
札幌市議会には市民などから計画の撤回を求める陳情書が提出されました。
その数は90件にも上ります。
■陳情書を読み上げる市民:
「売却を一旦立ち止まり、リース方式も含めて再検討していただきたい。この1点をお願いし、陳情書を提出させていただきました。」
26日に開かれた議会では、インターナショナルスクールの必要性や市の情報提供の方法などについて質疑が行われましたが、陳情書はすべて継続審査となりました。
■運営会社の担当者:
「反対意見、これは必ずあると思います。生産性のある、前向きな話し合いの場が重要。そういうのを継続していきたい。」
運営会社は、今年度中の売買契約を目指していますが、住民との話し合いを重ねたいとしています。今後札幌市は、旧常盤小学校周辺の芸術の森地区全戸に対し、意見を募るはがきを配布する予定です。



























