廃校活用のインターナショナルスクール計画、撤回陳情書に「なりすまし」住民説明会は「移民反対」の怒号
2025年11月27日 18:27 掲載
札幌市南区の廃校を活用したインターナショナルスクールの設置計画。反対の陳情書が市議会に90件以上提出されましたが、その中になりすましがあったことが新たに分かりました。
陳情書を読み上げる市民)
「売却を一旦立ち止まり、リース方式も含めて再検討していただきたい」
26日の札幌市議会。陳情書を提出した市民が議員らを前にその中身を読み上げました。彼らが求めているのはインターナショナルスクールの設置計画の撤回です。
2021年に廃校となった札幌市南区の旧常盤小学校。この廃校を活用しようと、売却額2500万円で札幌市との優先交渉権を得たのが、シンガポールを拠点とする企業「グローバル・インディアン・エデュケーション」です。日本では、東京や大阪などでインターナショナルスクールを展開しています。札幌でもこの廃校を改修して、英語で授業を行うインターナショナルスクールを設立し、初年度は国籍を問わず未就学児から小学生を対象におよそ50人を受け入れる計画です。将来的には、高校3年生まで650人規模を想定しています。
しかし、9月に行われた住民説明会は大荒れに。出席者から「移民反対」などの怒号が飛び交い、警察も出動する事態となりました。地元の出席者は、住民以外の人も多く参加していたと話します。
地域住民)
「知らない人がかなり多かった。それはみんな言っている印象。ツカツカと前の方に行って、反対しますよという形だったから、かなり乱暴な」
企業側も出席者らの言動に驚いたと話します。
グローバル・インディアン・エデュケーションの担当者)
「同僚2人が参加したが、帰ってきて話を聞いたら『怖かった』と。非常に大きな声で『移民反対』と声が合唱でかけられて、そういう雰囲気にのまれてしまって」
SNSではインド人専用の学校という根拠のない情報が拡散。
市議会に提出された計画の撤回を求める陳情書は90件以上にのぼりました。しかし、今回驚きの事実が発覚しました。陳情書のなりすましが2件見つかったのです。
札幌市によりますと、陳情書に記載されていた道外在住者と市民の2人に市が受理通知を郵送すると、2人から「身に覚えがない」という連絡があったということです。
陳情のなりすましという異例の事態に秋元市長は。
札幌市 秋元市長)
「議会での陳情審査という住民の皆さんの声を議会の中で取り上げていく大切な手法だと思う。そういう意味では、出される方も真摯な対応をしていただくのが基本だろうと思う」
市議会はなりすましではない90件の陳情書を継続審査するとしています。また市は今後、地域の意見を尊重するため、旧常盤小学校周辺の住民に意見を募るはがきを配布する予定です。



























